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口ゴボは矯正で治せる?|原因・治療法・注意点を日本矯正歯科学会認定医が徹底解説

 

 

 

 

 

 

 

 

日本矯正歯科学会認定医・歯学博士   河底晴紀

口ゴボってよく聞くけど、自分もそうかも…」
「矯正で治せるの?それとも手術が必要?」
「装置をつけると口が出て見えるって本当?」

そんな疑問を抱えてこの記事を読まれている方も多いのではないでしょうか。
「口ゴボ」は見た目の印象を左右するだけでなく、咬み合わせや呼吸にも影響する場合があります。

この記事では、口ゴボの原因・矯正治療での改善方法・注意点を、
福山市の河底歯科・矯正歯科(日本矯正歯科学会認定医在籍)がわかりやすく解説します。

1. 口ゴボとは?どんな状態を指すのか

「口ゴボ」とは、横から見たときに上唇や下唇が前に出ているように見える状態を指します。
医学的には「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」や「上下唇突出」と呼ばれ、
骨格や歯並びのバランスが原因で起こります。

主な特徴

横顔で唇が前方に突き出て見える

鼻と唇、あごを結んだライン(Eライン)から唇が明らかに前に出ている

口を閉じるときに唇に力を入れないと閉じにくい

無意識に口呼吸になりやすい

顎が小さく見える、または後退して見える

自己チェック方法

鏡を横から見たときに、鼻先とあご先を結ぶ線(Eライン)より唇が明らかに前に出ていたら、口ゴボの可能性があります。
ただし、顔全体のバランスや骨格によっても見え方は異なるため、
正確な診断は歯科医院でレントゲン・セファロ分析(頭部X線)を行うことが重要です。

2. 口ゴボの原因は?

口ゴボは、単に「歯が出ている」だけではなく、骨格・歯並び・口周りの筋肉など複数の要因が関係しています。

原因①:歯の傾き(歯性口ゴボ)

もっとも多いのがこのタイプ。
上の前歯が前方に傾いて生えている、または下の前歯が内側に傾いているために口元が出て見えます。
軽度の口ゴボであれば、矯正治療で十分改善が可能です。

原因②:顎の骨格のズレ(骨格性口ゴボ)

上顎全体が前方に出ている、あるいは下顎が後退しているケース。
この場合、歯の位置だけでなく骨格的なバランスを整える必要があります。
重度の場合には外科的矯正(顎変形症治療)が必要になることもあります。

原因③:口呼吸や舌のクセ

長年の口呼吸や、舌で前歯を押す癖(舌突出癖)があると、
歯列が徐々に前方へ傾いていき、結果として口ゴボのような形になります。

3. 口ゴボを改善する矯正治療の種類

口ゴボは、矯正治療で改善できることが多い症状です。
代表的な治療法を3つ紹介します。

(1)ワイヤー矯正(マルチブラケット矯正)

最も一般的な方法で、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を移動させます。
歯の角度・位置を細かく調整できるため、前歯の突出をコントロールするのに適しています。

ワイヤー矯正では、必要に応じて小臼歯を抜歯し、
そのスペースを利用して前歯を後方に下げることで口元の突出を改善します。

(2)マウスピース矯正(インビザラインなど)

透明なマウスピースを1〜2週間ごとに交換し、少しずつ歯を動かします。
装置が目立たず、仕事や学校生活に支障が出にくいのが特徴です。
軽度〜中等度の口ゴボに対応できますが、骨格性の場合は限界があります。

(3)外科的矯正(顎変形症)

骨格的に顎の位置が大きく前後している場合、
歯の矯正だけでは限界があり、外科手術(顎骨の移動)を併用することがあります。
手術は入院を伴いますが、根本的に顎の位置を整えることができます。

4. 矯正中に「口が出て見える」のは一時的な現象

矯正治療を始めたばかりの方から、よくこんな声を聞きます。

「装置をつけてから口が余計に出て見える気がする…」

実はこれは一時的な見た目の変化です。
矯正装置(特にワイヤー矯正)をつけた直後は、
歯がまだ動いておらず、ワイヤーによって歯が少し前方に押し出されるため、
一時的に口元が出て見えることがあります。

しかし、歯が動き始めると前歯が徐々に内側へ下がっていくため、
治療の中期〜後期にはしっかり引っ込んでいきます。

✅つまり、「装置をつけた直後の見た目は一過性」
最終的にはEラインに沿った自然な口元に仕上がります。

5. 口ゴボ矯正で気をつけること
(1)「抜歯=悪いこと」ではない

口ゴボを改善するために、歯を抜くことに抵抗を感じる方も多いでしょう。
しかし、スペースがないまま前歯を無理に引っ込めると、
歯根吸収や歯の傾き、歯列の不安定化が起こるリスクがあります。

抜歯は「歯を抜く」ことではなく、「美しい口元を作るためのスペースを作る」ための計画的な処置です。
日本矯正歯科学会認定医による精密診断のもと、必要最小限で行われます。

(2)骨格性の場合は手術の適応を見極める

矯正だけでどこまで治せるかは、骨格の状態によります。
外科矯正が必要な場合もあるため、必ずセファロ(頭部X線)分析を行い、
顎骨と歯の位置関係を正確に把握することが重要です。

(3)治療後の後戻り防止

矯正後は、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすいため、
リテーナー(保定装置)を使って安定させます。
特に口ゴボ治療は口周囲の筋肉バランスが関係しているため、
保定期間をしっかり守ることが仕上がりを保つ秘訣です。

6. 歯列矯正で顔の印象はどう変わる?

口ゴボ矯正を行うと、横顔や表情に大きな変化が生まれます。

改善されるポイント

・横顔のEラインが整う

 

 

 

 

 

 

 

・唇が自然に閉じられる

・フェイスラインがすっきりする

・鼻やあごのバランスが整い、上品な印象に

・発音がクリアになる

矯正治療は「歯並びを整える」だけではなく、
顔全体の印象を整える美容的効果も大きいのです。

7. 河底歯科・矯正歯科の取り組み

福山市の河底歯科・矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医による正確な診断と、
最新のデジタル機器(iTero・CT・セファロ分析)を用いた口ゴボ矯正の専門診療を行っています。

精密な診断による抜歯/非抜歯の判断

顔貌(横顔ライン)を重視した治療計画

矯正中の見た目にも配慮した装置選択(透明ブラケット・マウスピースなど)

チーム医療による安全管理と治療品質の統一

「自分の口元が気になる」「他院で抜歯と言われて不安」そんな方はぜひ一度セカンドオピニオンにお越しください。

 

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

・日本臨床歯科学会

K-Project

・FCDC

MID-G 

広島県歯科医師会

・福山市歯科医師会 理事

 

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