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22歳女性の患者さまがマウスピース型矯正装置で実現した歯並び

日本矯正歯科学会認定医・歯学博士     河底晴紀

22歳女性の患者さまがマウスピース型矯正装置を用いて実現した、「横顔と上の歯並びの変化」に焦点を当てた治療ブログをご提案します。
特にチューイーの正しい活用と効果、それがもたらした治療結果を専門的かつわかりやすく解説します。​

22歳女性 マウスピース矯正症例

〜横顔が気になる…2年で実現した理想の口元〜
はじめに:相談のきっかけ

今回ご紹介するのは、22歳女性の症例です。
主訴は「上の歯が出ていること」と「横顔の見え方が気になる」とのことでした。
前歯の位置や口元のバランスは、横顔印象に大きく影響します。
カウンセリングを通して、ご本人の理想と現状を細かく確認し、目標を“Eライン”のバランスと自然なスマイルに設定しました。​

矯正装置:マウスピース型矯正治療を選択

近年、成人矯正では目立たずライフスタイルに合わせやすい「マウスピース型矯正装置(主にインビザライン等)」が主流です。
目立ちにくいだけでなく、患者さんご自身で管理できるメリットや、歯並びだけでなく咬み合わせや横顔のラインも調整しやすい特性があります。​
当院でも、精密な診断・3Dシミュレーションのもと、この装置による全体矯正を計画しました。

治療過程:2年間の歩み

治療期間は2年。
抜歯はせず、マウスピースを1日20時間以上きちんと装着していただきながら、2週間ごとに新しいマウスピースへ交換する流れを継続しました。
最も重要なポイントは「計画どおりに歯が動く」こと。そのためのキートップが「チューイー」の活用です。​

チューイー活用の工夫と習慣化

チューイーは、矯正用マウスピースの補助具で、弾性ゴム製の円柱状スティックです。
これを咬むことで、マウスピースをしっかり歯にフィットさせて隙間をなくし、治療の精度と効率を高めます。
特に装着直後や新しいマウスピースへの交換時には、20分以上咬むことで歯とマウスピースの密着度が向上・歯の動きが促進されます。​

当院では、
・毎日のルーティンに「チューイー咬合」を追加
・通勤・通学やTV視聴、家事の合間にも活用
・違和感が少ないため続けやすい工夫を伝授
このようなサポートで習慣化を無理なく実践いただきました。

チューイーを頑張った効果

チューイーをしっかり使うことで、下記の利点が生まれました。​

マウスピースの適合精度が向上し、治療経過がスムーズ

計画通りに歯列が動き、追加のリファイメント(再設計)が最小限

治療期間の短縮や仕上がりの精度アップ

歯の移動時の痛みや違和感が軽減され、快適な矯正ライフを持続

患者さんご本人も「咬む習慣を意識したことで治療が止まらず進んだ」と満足されています。
もしチューイーを十分に使用しないと、マウスピースが浮いて歯に力が伝わらず、計画通りに進まず治療が延びてしまうリスクもあります。​

横顔の変化—術前と術後

治療前は上顎前突ぎみでEラインより口元が突出し、横顔のバランスが崩れていました。
2年間、マウスピース矯正とチューイー活用で歯列全体が正しい位置へ収束。
治療後は口元の突出感が大きく改善され、顎先までの横顔ラインがEラインに近づく印象的な変化が生まれました。​

写真ビフォーアフターでも、
・上の前歯の突出が緩和
・自然な口元とスマイルライン
・自信を持って笑える見た目の変化
が確認できます。

まとめとアドバイス

マウスピース矯正は、装置の「規定時間装着」と「チューイーの正しい習慣化」が成功の鍵

装置管理に自信がない場合も、スタッフからのアドバイスや工夫で乗り越えられる

横顔や口元の美しさは歯並びと直結。悩みがあっても、専門医に気軽にご相談ください

今回の22歳女性の症例のように、自分らしく笑える毎日と洗練された横顔を手に入れることは十分可能です。
マウスピース型矯正装置×チューイーの正しい活用で、理想の口元を目指しましょう。

筆者プロフィール:河底晴紀(歯学博士/日本矯正歯科学会認定医)

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

日本矯正歯科学会

・日本臨床歯科学会

・K-Project

・FCDC

・MID-G

広島県歯科医師会

・福山市歯科医師会 理事

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