
日本矯正歯科学会認定医・歯学博士 河底晴紀
近年、医療業界で注目を集めている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉。
その波は歯科にも広がり、診療のデジタル化、院内の業務効率化、そして患者満足度の向上が求められています。
院長もDXに関するセミナーを引き受ける本数がどんどん多くなっています。
広島県福山市にある河底歯科・矯正歯科は、歯科DXの先進モデルとして全国から見学者が訪れるクリニックです。
「DXを実際に見てみたい」「この仕組みを導入したい」と、多くの医院様や経営者が足を運ばれています。
今回は、当院がどのようにDXを実現しているのか、その取り組みを詳しくご紹介します。
1. 歯科DXとは?──単なるIT化ではない「変革」
歯科DXとは、単に電子カルテを導入することではなく、デジタルの力で医院全体を根本から変えることを意味します。
診療、経営、患者対応──すべての領域をデジタルで再構築し、効率と品質を両立させるのが目的です。
たとえば当院では、患者様の体験を中心に置きながら、
「紙を使わない」「待たせない」「迷わせない」仕組みを作り上げています。
2. 「ない」が多い歯科医院──ペーパーレスのその先へ
河底歯科・矯正歯科のDXの特徴を一言で表すなら、“ないものが多い”歯科医院です。
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紙の診察券がない(アプリでQRチェックイン)
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紙の契約書がない(電子署名システムを導入)
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給与明細がない(クラウド上で自動配信)
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有休申請書がない(WEBフォームで申請・承認)
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タイムカードがない(指紋認証でクラウド管理)
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紙のカルテがない(電子カルテを全台連携)
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紙の説明書がない(診療内容に応じてアプリから自動メッセージ送信)
治療内容や次回の注意点、ケア方法などは、患者様専用アプリに自動で配信されます。
たとえば「矯正装置をつけたあとのブラッシング方法」や「抜歯後のうがいの注意」など、
患者様一人ひとりの治療内容に合わせたメッセージを、自動送信しています。何がすごいって、スタッフが1個1個を手動で送っているわけではなく、予約システムの処置内容に合わせてメッセージが自動送信されているのがすごいところです。
これにより、「説明を聞いたけど忘れてしまった」という不安を解消。
紙を渡すよりも迅速で、エコにもつながっています。
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3. 徹底したDXで「待ち時間ゼロ」へ
多くの患者様が感じる歯科医院の不満、それは「待ち時間が長い」ことです。
河底歯科・矯正歯科では、この問題をDXの力で根本的に解決しました。
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WEB予約で来院前から診療枠を最適化
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アプリチェックインで受付の混雑を回避
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電子カルテと予約システムの連携により診療の流れを自動化
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診療室内で次回予約を完結することで、受付での待ちを解消
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会計は自動精算機またはアプリ決済でスピーディに
このような仕組みにより、受付〜会計までの滞在時間が大幅に短縮。
患者様が快適に通える環境を整えています。
→ 当院のアクセス・診療時間
4. スタッフが輝く「働き方改革としてのDX」
DXのメリットは患者様だけではありません。
スタッフにとっても、より働きやすく、効率的な環境が実現しました。
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勤怠・給与はクラウドで自動処理
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有休の申請もWEBで完結
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すべての業務マニュアルはクアプリの動画で共有
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情報共有ツールを用いて院内の意思決定を迅速化
これにより、スタッフ一人ひとりが「診療」と「学び」に集中できるようになり、
人材定着率も大きく向上しました。
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5. DXの中心にあるのは「患者体験の向上」
DXの本質は、業務効率化だけではなく患者体験(Patient Experience)の質を高めることです。
河底歯科・矯正歯科では、AIとデジタルを活用し、患者様が安心して通える仕組みを構築しています。
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3Dスキャナー(iTero)で正確な歯列データを取得
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デジタルカウンセリングで矯正後のイメージを共有
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AIチャットボットによる自動応答で24時間対応
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マイナンバーカードによるオンライン資格確認で薬剤情報を自動連携
これらにより、説明の「見える化」と「納得感」を両立。
患者様が自ら治療に積極的に参加できる環境を整えています。
→ 矯正治療の詳細はこちら
6. 経営におけるDXの効果──「見える化」と「スピード経営」
歯科DXの導入は、単に便利になるだけでなく、経営にも大きな変化をもたらします。
当院では、AIとクラウドを活用したデータ経営を行っています。
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予約件数やキャンセル率の自動分析
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スタッフの稼働率と人件費の最適化
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在庫管理や技工データもクラウドで統合
スタッフからの日報を日々データ分析し、患者様からのクレームを放置しないシステムを構築しています。
また、データをもとにした患者サービスの改善も継続的に行われています。
→ 料金・治療費についてはこちら
7. 全国から見学が相次ぐ理由
全国の歯科関係者から見学や研修依頼を多くいただく理由は、
単なるデジタル導入ではなく「DXを医院文化として根づかせている」点にあります。
DXとは「ツール」ではなく「考え方」です。
河底歯科・矯正歯科では、スタッフ全員が同じ方向を向き、
“効率化の先にある患者満足”を共有しています。
全国的に見ても、これだけのレベルでデジタルが浸透した医院は稀です。
そのため、多くの先生方が「DXを体感したい」と訪れてくださいます。
筆者プロフィール:河底晴紀(歯学博士/日本矯正歯科学会認定医)
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
◾️資格
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・日本臨床歯科学会
・K-Project
・FCDC
・MID-G
・福山市歯科医師会 理事





