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リンガル矯正とラビアル矯正の違いは?|その違いを矯正歯科医が徹底解説

日本矯正歯科学会認定医・歯学博士  河底晴紀

歯並び矯正を検討する際、「目立ちにくい矯正がしたい」「装置によるストレスをできるだけ減らしたい」と考える方が増えています。ここでは話題の「リンガル矯正」と「ラビアル矯正」について詳しく解説し、福山市で矯正治療をお考えの方に向けて当院の治療方針もご紹介します。


リンガル矯正とは?(舌側矯正、裏側矯正)

リンガル矯正とは、矯正装置(ブラケットやワイヤー)を歯の裏側(舌側)につけて行う矯正治療法です。最大の特徴は、正面から見て装置がほとんど見えないことで「見えない矯正」を希望される方に人気があります。​

  • 人と話す仕事、接客業の方などで装置の見た目が気になる場合の選択肢

  • 就活や結婚式などイベントを控えている方にも需要が高まっています

メリット

  • 矯正していることが他人からほとんど気付かれない

  • 歯の表側のエナメル質を傷めにくい面もある

デメリット

  • 舌に装置が当たりやすいので、違和感・発音障害が出やすい

  • 清掃が難しく、舌側に汚れが残りやすい

  • 装置の装着・調整が難しく、専門的な高度技術や経験が必要

  • 治療費が高額になりやすい

リンガル矯正と発音の問題

リンガル矯正中は、舌が装置に当たるため「サ行」「タ行」「ラ行」など、舌を歯の裏側につけて発音する音に違和感が出やすいです。発音のしにくさは個人差があるものの、初期数週間〜1ヶ月程度で慣れる方が多いですが、慣れにくい方もいます。​


ラビアル矯正とは?(表側矯正)

ラビアル矯正とは、従来型の歯の表面(唇側)に装置を装着する矯正方法です。以前は金属色の装置が目立ちましたが、近年は透明や白いブラケットの進化により見た目の違和感も大幅に減っています。​

メリット

  • 装置が直接見えるため歯磨きがしやすい

  • 発音・滑舌にはほとんど影響が無い

  • 技術的に習熟した歯科医師が多く、対応できる症例が幅広い

  • 費用が抑えられることが一般的

デメリット

  • 見た目の問題(ただし装置の工夫で目立たなくできる)

  • 唇側の粘膜に装置が当たる違和感はあるが、舌側より少ない


当院(河底歯科・矯正歯科)がリンガル矯正を行わない理由

河底歯科・矯正歯科では、患者さんの安全・治療精度・口腔内環境の長期安定という観点から「リンガル矯正は行っていません」。

その理由

  1. 口腔内の清掃性を重視

    • 舌側は清掃が難しく、虫歯や歯周病リスクが高まる傾向にある

    • 特に成人矯正の場合、長期の口腔衛生管理が非常に重要なため、できる限りリスクを回避した治療法を推奨

  2. 治療期間と治療の質を最優先

    • リンガル矯正は、装置の調整・力のコントロールが難しく、治療期間が長引く場合も多い

    • 当院では治療精度とスピードを両立したいと考え、より短期間で確実な成果を出せるラビアル矯正を選択

    • 見えない矯正の選択肢としてマウスピース型矯正装置を採用
  3. 患者様の生活・QOLへの配慮

    • 装置による発音障害は社会生活・仕事などの負担になることが多い

    • ラビアル矯正は発音への影響が少なく、多くの方にとって日常生活が送りやすい


リンガル矯正とラビアル矯正の治療期間の違い

  • リンガル矯正は歯の裏側の構造や力の加わり方が表と異なるため、複雑な症例になると治療期間が延びることが珍しくありません。

  • 場合によっては通常より半年〜1年長くかかる場合もあります(リンガルの症例数が多いところはこの限りではありません。クリニックによって異なります)。


まとめ|患者様へのメッセージ

「目立ちにくい」「仕事に差支えたくない」という気持ちはとても大切です。しかし当院では、治療の安全性と長期予後、そして安定した美しい結果こそ最も大切だと考えています。

  • 表側矯正でも見た目への配慮を強化し、清掃性とトラブルの少なさを追求

  • 口腔内の健康を損なわず、できるだけ短期間で最大限の効果を目指します

福山市で矯正治療をお考えの方は、河底歯科・矯正歯科までご相談ください。患者様一人ひとりのライフスタイルや価値観にあわせて、最良の治療プランをご提案いたします。


よくあるご質問 (Q&A形式で例)

Q:本当にリンガル矯正は行っていませんか?
A:はい。当院ではラビアル矯正を軸とした治療方針です。

Q:治療期間を短縮したいのですが、工夫はありますか?
A:抜歯時期や力のかけ方、保定装置の早期導入など、最新技術を取り入れています。

Q:発音や滑舌が心配です。
A:表側矯正は会話や仕事への支障が少ないのが利点です。

マウスピース矯正は透明で目立ちにくく、取り外しが可能なため日常の食事や歯磨きもスムーズに行え、患者様の生活の質を保ちながら治療を進められる点が大きな特徴です。ラビアル矯正とマウスピース矯正の両方を組み合わせ、患者様一人ひとりに最適な矯正治療プランをご提案しています。


矯正治療を選ぶ際には「治療後の口腔内環境」や「トラブルの起きにくさ」も踏まえてご検討ください。矯正治療の費用はこちらをご覧ください。まずは矯正相談で現状をチェックしましょう。ご連絡をお待ちしております。学校歯科検診で歯並びを指摘された方は矯正相談を保険診療で受けることが可能です。広島県内のこども医療費をおもちであれば500円で相談を受けられます。

 

筆者プロフィール:河底晴紀(歯学博士/日本矯正歯科学会認定医)

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

日本矯正歯科学会

・日本臨床歯科学会

・K-Project

・FCDC

・MID-G

広島県歯科医師会

・福山市歯科医師会 理事

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