カテゴリー
カテゴリー

中学生から矯正治療はできますか?矯正歯科医が徹底解説

日本矯正歯科学会認定医・歯学博士    河底晴紀

中学生からの矯正治療には多くのメリットがあります。まず、中学生の時期は永久歯がほぼ生えそろい、顎の骨の代謝も活発なため、歯が動きやすい状態にあります。その結果、治療期間が短縮できるケースが多く、成人になってから始めるより負担が少なく済む可能性がありますこの時期は、人前に立つ機会が増え、見た目への意識も高まる時期。歯並びを整えることで、笑顔に自信が持てるようになり、自己肯定感の向上にもつながります。

また、不正咬合の改善は将来的な虫歯や歯周病のリスクを下げ、口腔全体の健康維持にも寄与するため、単に審美的な問題だけでなく、健康面でも積極的に取り組む価値があります。

■中学生から矯正治療を始めることのメリット

  • 治療期間が比較的短くて済む

  • 骨の代謝が活発で歯が動きやすい

  • 抜歯のリスクが低くなる可能性がある

  • 歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防になる

  • 自己肯定感が高まり、精神面の発達にも良い影響を与える

また、中学受験をするお子様も多い現状を踏まえ、受験期間を挟んでの治療は負担が大きいため、受験後に中学生になってから矯正治療をスタートする方が精神的にも安心です。さらに大学進学や転居の可能性を考慮すると、高校生からの治療は治療期間が長引いた場合に環境変化のリスクが高くなります。そのため、中学生の間に治療を開始し、高校1年生までに終えておくのが心理的にも安定すると言えます。

矯正治療について

■矯正治療を開始するタイミングとして中学生が適している理由

  • 食生活や生活リズムが比較的安定して通院しやすい

  • 歯が動きやすく、無理なく治療ができる

  • 長期的な健康維持に繋がる早期の改善

  • 学校生活と両立しやすい通院計画を立てやすい

  • 将来的な転居リスクを少なくできる

当院、河底歯科・矯正歯科では、中学生から成人まで幅広い年代の方に対応した矯正治療を提供しています。患者様それぞれのライフステージを考慮し、最も負担が少なく効果的な治療プランを提案いたします。詳細なカウンセリングを通じて、納得のいく治療開始をサポートしておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

■治療期間を短くするためにできること

矯正治療の期間を短くするためにできるセルフケア方法は以下の通りです。​

  1. 歯科医師の指示を守ること
    装置の装着時間や方法を忠実に守ることが最も重要です。無断で装置を外したり、装着時間を守らなかったりすると治療期間が延びる原因になります(ワイヤー矯正の場合、顎間ゴムを適切にやっていただいているか、マウスピース矯正の場合、装着時間を守ったり、チューイーをきちんと使用しているかなど)。

  2. 口腔環境を清潔に保つ
    虫歯や歯周病を防ぐために、こまめな歯磨きやデンタルフロス、歯間ブラシの使用が必須です。装置の周りにプラークがたくさんつくと、本来動くはずの歯がプラークによって邪魔され動きにくくなります。

  3. 悪い癖の改善
    舌で歯を押す癖や頬杖、唇を噛む癖を直しましょう。これらの癖は歯の動きを妨げる要因となります。

  4. 規則正しい生活と十分な睡眠
    睡眠不足や不規則な生活は新陳代謝を低下させ、歯の動きを遅らせる原因に。十分な休息とバランスの良い食事を心がけましょう。

  5. 適度な運動や体調管理
    全身の代謝を上げるために適度な運動を行い、体調を崩さないように注意が必要です。

以上のポイントを日常生活で意識することが、治療期間を短縮するために非常に効果的です。

なお大人の方は、禁煙も大切です。
喫煙は歯肉の血流を悪くし、歯の動きを妨げるため、禁煙が推奨されます。

 

【まとめ】
中学生は矯正治療を始めるのに非常に適している時期です。永久歯が生えそろい代謝が活発なため治療効率が良く、精神的にも生活環境的にも治療がしやすいタイミングです。見た目や健康面の改善は将来の自信にもつながり、大きなメリットがあります。中学生で矯正治療を開始し、高校生の早期に終了しておくことで、より安心・安全に歯科矯正を完了できるでしょう。

 

 

筆者プロフィール:河底晴紀(歯学博士/日本矯正歯科学会認定医)

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

日本矯正歯科学会

・日本臨床歯科学会

・K-Project

・FCDC

・MID-G

広島県歯科医師会

・福山市歯科医師会 理事

ページの先頭へ戻る