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やついいちろうさんに見る歯並びについて ―「個性」と「健康」のあいだで、矯正を選んだ理由―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本矯正歯科学会認定医・歯学博士 河底晴紀

歯並びは「個性」なのか、それとも「治すべきもの」なのか。

この問いに、明確な正解はありませんよね。

お笑いコンビ・エレキコミックのやついいちろうさんの歯並びにまつわるエピソードは、

歯並び・矯正治療・夫婦関係・自己肯定感といった複数のテーマが重なり合う、非常に示唆に富んだお話です。

本記事では、

やついいちろうさんの実体験(※引用元あり)をもとに、

歯科医療の視点から「歯並びを整えるとはどういうことか」を考えてみたいと思います。


引用元について

本記事で紹介するエピソードは、以下の記事を参考にしています。

引用元:

https://www.webqua.jp/brush/column/7707/


虫歯治療から始まった、約3年の長い道のり

やついいちろうさんの歯の治療は、

いきなり矯正から始まったわけではありません。

きっかけは虫歯治療

そこから段階的に治療を進め、

結果的に矯正治療を含めて約3年という、決して短くはない期間を要しました。

矯正治療は、

「思い立ったらすぐ終わる」ものではありません。

  • 口腔内の状態を整える

  • 虫歯・歯周病のリスクを下げる

  • 噛み合わせを精査する

こうした土台づくりがあってこそ、

安全で長期的に安定する矯正治療が可能になります。

やついさんのケースは、

矯正治療が“医療”であることを象徴するプロセスと言えるでしょう。


実は「ずっと矯正したい」と思っていた

意外に思われるかもしれませんが、

やついいちろうさんは以前から「矯正したい」という思いを持っていたそうです。

芸人としてのキャラクター、

トレードマークとも言える歯並び。

それでも、

噛み合わせの悪さや、日常生活での違和感は、

ご本人にしか分からない悩みとして存在していました。

歯並びの問題は、

  • 見た目以上に

  • 食事のしづらさ

  • 顎や筋肉への負担

といった、機能面のストレスとして現れることが少なくありません。

「個性として受け入れている部分」と

「身体として無理をしている部分」は、

必ずしも一致しないのです。


最大の壁は、奥様(当時は彼女)の“反対”

しかし、矯正への道のりは順調ではありませんでした。

最大の壁は、

奥様(当時は彼女)である松嶋初音さんの反対だったそうです。

松嶋初音さんは、

元グラビアアイドルでタレント、

そして現在は怪談師としても高い人気を誇る方。

彼女は、

やついさんの歯並びについて、

こんなふうに語っています。

「妖怪みたいな歯が好きだったのに。

治ったらいいところがなくなっちゃう」

この言葉には、

相手の“ウィークポイントごと愛する”という深い愛情が感じられます。

歯並びの悪さすら含めて「その人らしさ」として受け入れる。

それは、とても素敵な関係性です。


それでも、噛み合わせの悩みは消えなかった

一方で、

やついさん自身は、噛み合わせの悪さに悩み続けていました。

  • 噛みにくさ

  • 違和感

  • 将来的な不安

これらは、

「我慢すれば済む話」ではありません。

歯並びや噛み合わせの問題は、

時間とともに顎関節・歯の摩耗・歯周組織へ影響を及ぼすことがあります。

つまり、

見た目の問題ではなく、身体の問題なのです。


模型を見せて、妻に納得してもらった

最終的に、

やついさんはある方法で奥様を説得します。

それが、

歯科医院で作成された「歯の模型」を見せることでした。

  • 今の歯並び

  • 矯正後の歯の位置

  • 噛み合わせの変化

を、視覚的に説明することで、

「ただきれいにするための矯正ではない」

ということが伝わったのです。

歯科医療において、

模型やシミュレーションは非常に重要です。当院でもデジタル機器を駆使して患者様にデジタルで状態をお伝えしています

専門的な内容も、

「見える形」にすることで、

初めて周囲の理解を得られるケースは少なくありません。


歯並びは「個性」でもあり、「健康」でもある

このエピソードが教えてくれるのは、

歯並びは単なる審美の話ではない、ということです。

  • 個性として愛される部分

  • 健康として向き合うべき部分

この2つは、

対立するものではありません。

大切なのは、

「誰のために」「何のために」治療をするのか

自分自身で納得して決めることです。


矯正治療は、誰かのためではなく「自分の人生のため」

やついいちろうさんの矯正治療は、

誰かに強制されたものではありません。

  • 長年感じていた違和感

  • 将来への不安

  • 自分の身体と向き合う覚悟

それらを踏まえたうえでの、

自分自身の選択でした。

歯並びを治すことは、

「欠点を消すこと」ではありません。

これから先の人生を、より快適に生きるための医療的判断です。


まとめ|歯並びをどう捉えるかは、人それぞれ

やついいちろうさんのエピソードは、

  • 歯並びは個性でもある

  • しかし、噛み合わせは健康問題でもある

  • 周囲の理解と、自分の意思の両方が大切

ということを、私たちに教えてくれます。

矯正治療をするかどうかは、

誰かに決められるものではありません。

ただ一つ言えるのは、

「ずっと気になっている」のであれば、一度きちんと知ることが大切だということです。

模型を見て、説明を受けて、納得して決める。

それが、後悔しない選択につながります。

筆者プロフィール:河底晴紀(歯学博士/日本矯正歯科学会認定医)

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

日本矯正歯科学会

・日本臨床歯科学会

・K-Project

・FCDC

・MID-G

広島県歯科医師会

・福山市歯科医師会 理事

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