
日本矯正歯科学会認定医・歯学博士 河底晴紀
「うちの子、最近歯並びが気になってきた…」そんな思いを抱える親御さんは福山市内でも非常に多くいらっしゃいます。
じつは、子どもの歯並びの乱れは「遺伝だから仕方ない」とあきらめる必要はありません。歯並びに影響する要因のうち、遺伝は約30%にすぎず、残りの約70%は日常の生活習慣や癖が原因だと言われています。
つまり、毎日くり返している何気ない習慣を見直すことが、お子さんの歯並びを守る大きな一歩になるのです。
この記事では、河底歯科·矯正歯科(福山市)の日本矯正歯科学会認定医の院長が、子どもの歯並びを悪化させる代表的な7つの習慣を解説します。「当てはまるかも」と思ったら、ぜひ早めに対策を始めましょう。
なぜ子どもの歯並びが悪くなるの?まず仕組みを知ろう
歯と顎の骨は、外側からは唇や頬の筋肉、内側からは舌の力によって支えられています。このバランスが保たれているとき、歯はきれいに並びます。しかし、特定の癖や習慣によって力のかかり方が偏ると、歯は少しずつずれていきます。
特に成長期の子どもは骨が柔らかく、ごくわずかな力でも長時間·長期間にわたって加わり続けると、歯や顎の骨が変形しやすい状態にあります。だからこそ、日常の習慣が大人以上に大きな影響を持つのです。
以下に、とくに注意が必要な7つの習慣を紹介します。お子さんに当てはまるものがないか、一緒に確認してみてください。
習慣① 指しゃぶり·おしゃぶりをいつまでも続けている
赤ちゃんの指しゃぶりは正常な発達の一部であり、3歳頃までは問題ありません。しかし、それ以降も続く場合は注意が必要です。
指を口に入れ続けることで、上の前歯が前方に押し出されて「出っ歯(上顎前突)」になったり、上下の前歯が噛み合わない「開咬(かいこう)」を引き起こすことがあります。おしゃぶりも同様で、長期間の使用は顎の発育を妨げる可能性があります。
目安として、4歳を過ぎても指しゃぶりが続いている場合は、一度矯正歯科に相談することをおすすめします。
習慣② 口呼吸が習慣になっている
「お口がいつもぽかんと開いている」「口の周りが乾いている」お子さんは、口呼吸をしている可能性があります。口呼吸は歯並びに多くの悪影響をもたらします。
本来、舌は上顎にぴったりとくっついているのが正しい位置です。しかし口呼吸をしていると、舌が低い位置に落ちてしまいます(低位舌)。すると上顎は内側から舌で押し広げられなくなり、狭く、高くなってしまいます。歯が並ぶスペースが失われ、ガタガタな歯並び(叢生)や出っ歯の原因になります。
口呼吸の原因がアレルギー性鼻炎や扁桃肥大の場合は耳鼻科での治療が必要です。習慣的な口呼吸には、口腔筋機能療法(MFT)と呼ばれる口周りの筋肉を鍛えるトレーニングが有効です。
習慣③ 舌で前歯を押す癖がある
「舌を前歯に押し当てる」「飲み込むときに舌を前に突き出す」こうした舌の癖(舌突出癖)は、矯正歯科の現場で特に注意が必要な習慣のひとつです。
唾液を飲み込む動作は、1日に1,000~1,500回にも及びます。たとえ弱い力でも、それだけの回数くり返されれば、前歯は少しずつ押し出されていきます。その結果、出っ歯になったり、上下の前歯の間に隙間ができる「開咬」になったりします。
舌の正しい位置は「上の前歯の裏のふくらみ(スポット)に舌先を当て、舌全体を上顎に吸い付かせた状態」です。まずはお子さんの舌の位置を確認してみましょう。
習慣④ 頬杖をつく
授業中や食事中、テレビを見ながらなど、何気なく頬に手を当てている——そんな姿を見かけたことはありませんか?頬杖は顎に対して外側から強い力を加え続ける行為です。
頬杖をついた側の歯列が内側に押し込まれ、歯並びがVの字に変形してしまうことがあります。また、左右どちらかに偏った力がかかるため、顔や顎の歪みにもつながります。
授業中の癖であれば、担任の先生と連携して声かけをするのも効果的です。椅子に深く座り、両足を床につける正しい姿勢を意識させるだけでも、頬杖をつく頻度が減ることがあります。

習慣⑤ うつ伏せ·横向きで寝る
「うちの子、いつもうつ伏せで寝ているんです」——これは矯正歯科でよく耳にするご相談です。就寝中は長時間同じ体勢が続くため、歯並びへの影響が特に大きいです。
うつ伏せ寝では、顔全体に体重の約10%(子どもで数kg)の重みがかかり続けます。前歯が押されて傾いたり、顎がずれたりする原因になります。また、うつ伏せ寝は口呼吸になりやすく、それが出っ歯をさらに悪化させることもあります。横向き寝の場合も、下になった側の顎に力が集中し、顔の歪みや歯列の非対称を引き起こすことがあります。
理想は「仰向け」で寝ること。就寝前の読み聞かせや、お気に入りのぬいぐるみを仰向けで抱えて寝る習慣をつくるなど、お子さんが仰向けで眠れる環境を工夫してみましょう。
習慣⑥ やわらかいものばかり食べて「よく噛む」習慣がない
近年の食生活の変化により、子どもが口にする食べ物がどんどん軟らかくなっています。パン、うどん、ハンバーグ、プリンなど、あまり噛まなくても食べられるものが増えています。
顎の骨は「噛む」刺激によって成長します。よく噛まないと顎の発育が不十分になり、小さな顎に大きな永久歯が収まりきらず、ガタガタの歯並び(叢生)になりやすくなります。現代の子どもに歯並びの問題が増えている大きな理由のひとつが、この「顎の発育不足」です。
ごぼうやれんこん、煮干し、するめなど噛み応えのある食材を積極的に取り入れ、「一口30回噛む」を意識した食育を心がけましょう。また、食事中の正しい姿勢(背筋を伸ばし、両足を床につける)も重要です。

習慣⑦ 乳歯の虫歯を「どうせ生え替わるから」と放置している
「乳歯は抜けるから虫歯になっても大丈夫」という考えは、実は大きな誤りです。乳歯の虫歯を放置することは、永久歯の歯並びに深刻な影響を及ぼします。
虫歯で乳歯が早く抜けてしまうと、隣の歯がそのスペースに傾いて移動してきます。後から生えてくる永久歯が入るべきスペースが失われ、永久歯が正しい位置に出てこられなくなってしまいます。また、虫歯で歯の形が大きく崩れると、噛み合わせのバランスが崩れ、顎の成長にも悪影響を与えます。
乳歯は永久歯の「道しるべ」です。虫歯を予防し、定期的に歯科医院でチェックを受けることが、将来の美しい歯並びを守ることに直結します。
【保護者の方へ】7つの習慣チェックリスト
以下のうち、お子さんに当てはまる項目はいくつありましたか?
▪️指しゃぶりやおしゃぶりを4歳を過ぎても続けている
▪️口がいつもぽかんと開いている(口呼吸)
▪️舌で前歯を押す癖や、飲み込むときに舌を前に出す癖がある
▪️頬杖をよくついている
▪️うつ伏せや横向きで眠る癖がある
▪️あまり噛まずに食べることが多い(やわらかいものが中心)
▪️乳歯の虫歯を治療せずに放置している
1つでも当てはまる項目があれば、早めに矯正歯科へのご相談をおすすめします。特に、複数当てはまる場合は、すでに歯並びへの影響が始まっている可能性があります。
子どもの矯正治療の「ゴールデンタイム」はいつ?
小児矯正には「第1期治療」と「第2期治療」の2段階があります。
第1期治療は、乳歯と永久歯が混在する6~11歳ごろに行います。顎の骨がまだ成長段階にある時期に、顎の幅を広げたり、成長の方向を整えたりすることで、永久歯が正しく並ぶスペースを確保することを目的としています。この時期に治療を行うことで、将来的に歯を抜かなくてよくなる可能性が高まります。
第2期治療は、永久歯が生え揃った12歳以降に行い、ワイヤーやブラケットで歯並びを細かく整えます。
顎の骨が柔らかく、成長力を最大限に活かせるのは第1期治療の時期だけです。「様子を見ていたら手遅れに…」となる前に、気になったタイミングで一度ご相談ください。受け口(反対咬合)については、4,5歳ごろから治療を検討できる場合もあります。
福山市で子どもの歯並びが気になったら、河底歯科·矯正歯科へ
河底歯科·矯正歯科は、福山市で赤ちゃんから高齢の方まで三世代にわたって通院いただけるかかりつけ歯科です。院長と副院長は日本矯正歯科学会認定医として、お子さんの歯並びや噛み合わせの問題に専門的に対応しています。
「歯並びが気になるけれど、矯正が必要かどうかもわからない」そんな段階からお気軽にご相談ください。相談料2,200円(歯科専用カメラでお口を撮影し、院長が丁寧にご説明します)と、まずは気軽な一歩から始められます。
24時間365日WEB予約も受け付けておりますので、お忙しい保護者の方でもスムーズにご予約いただけます。お子さんの大切な成長期を、一緒に守っていきましょう。
【河底歯科·矯正歯科】
〒720-0031 広島県福山市三吉町2丁目14-8
診療時間:午前9時~18時
休診日:日曜·祝日(月1回診療あり)
お電話:084-931-0041
🌐 WEB予約:24時間受付中(右上ボタンより)
筆者プロフィール:河底晴紀(歯学博士/日本矯正歯科学会認定医)
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
◾️資格
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・日本臨床歯科学会
・K-Project
・FCDC
・MID-G
・福山市歯科医師会 理事





