DailyArchive: 2021.02.01

妊活の前に歯周病治療を!

⻭科医師の河底友紀です。 今回は、⻭周病と不妊・早産の関係についてです。 ⻭周病とは、細菌の感染によって引き起こされる⻭の周りの組織の病気です。進⾏すると⻭ を⽀える⾻が溶けていき、最終的には⻭が抜けてしまうこともあります。

なぜ、お⼝の中で 起きる⻭周病が不妊や早産と関係があるのでしょうか? ⻭周病は全⾝の疾患に関連すると考えられています。

最近では、病院に入院すると手術前に必ず、歯科で歯周病の治療をするように指導されると思いますが、これは、歯周病をしっかり術前に治さないとからだの疾患も治せませんよということです。それくらいお口のケアはからだの健康に通じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯周病菌が全身に流れ込むと心筋梗塞を発症する確率が高くなったり、誤嚥性肺炎を引き起こす確率が高くなることはすでに有名です。歯周病は不妊や早産にも関係があることがわかってきています。

フィンランドで⻭周病が妊娠 しやすさに及ぼす影響を調べることを⽬的とした試験が実施されたそうです。その結果、妊 娠しなかった⼥性と妊娠した⼥性を⽐較すると、妊娠しなかった⼥性は⻭周病菌である P.gingivalis が明確に⾼く検出されました。しかも、唾液や⾎清中の P.gingivalis に対する抗 体については不妊率を 3 倍に、明確に⻭周炎である場合は不妊率を 4 倍近くに⾼める可能性があると分かったのです。(年齢、喫煙、経済的理由は無関係)

妊娠前であっても⻭周病菌が増えると免疫やホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があ り、⽣殖機能の低下が懸念されているそうです。 また、妊婦が⻭周病になると⻭周組織の破壊が通常よりも速いスピードで進⾏します。する と、⻭周病菌がもたらす炎症物質が過剰に⽣成され、⾎管の中に⼊り込み⾎液とともに全⾝ に運ばれます。この炎症物質は⼦宮を収縮させるホルモンに酷似していることから、早産の 危険性が⾮常に⾼くなるといわれています。⻭周病でない妊婦さんよりも 7 倍以上もの確 率で早期、低体重児出産が起こるそうです。

 

妊娠中は⻭磨きが不⼗分になったり、妊娠期に増加する⼥性ホルモンが⻭周病菌を増殖し やすくするため、⻭ぐきに炎症が強く現れることがよくあります。また、お⺟さんの⾎液中 の⻭周病菌は胎盤に付着し、細菌感染を引き起こします。その結果、おなかの⾚ちゃんが出 産時の胎盤を通して⻭周病菌に感染する危険性もあります。 以前読んだ本に「妊娠前、できれば妊活をスタートする前に⻭の治療を済ませるのが理想。」 と書いてありました。

 

妊娠する前から定期的な⻭のメンテナンスを受けて、⻭周病や⾍⻭を 治療しておきましょう!

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