福山市で矯正治療をしている河底歯科・矯正歯科の河底晴紀に変わり、受付の河村が投稿します。
今日は「根面う蝕(こんめんうしょく)」についてお話しします。
大人になると生じるお口の中の変化に「歯ぐき下がり(歯肉退縮)」があります。歯ぐき下がりは不適切なブラッシングや加齢、歯周病などの原因が複合的に関与して起こります。
歯ぐきが下がると、
・歯と歯の間にすき間ができるので、歯に物が挟まる
・歯の根元が露出するので、歯がしみる
といったトラブルが起こりやすくなります。
そのような症状を感じたら、歯ぐきがさがり始めているサインかもしれません。
歯ぐき下がりにより露出した歯の根元にできるむし歯を「根面う蝕」と言います。
むし歯は、むし歯菌が作り出す酸によって歯が溶けることでできますが、歯の根元は酸に弱いため、むし歯になりやすい部分です。また、気づきにくく進行も早いために、歯を失うリスクも高いという特徴があります。これまできちんとケアをしてきた人でも、新たなリスクの発生により今まで守ってきた歯を失いかねない、とても厄介なむし歯なのです。
ご自身でも根面う蝕のセルフチェックをしみましょう。
・40代以上である
・歯が前よりも長くなったように見える(鏡で確認してみましょう)
・歯の根元がしみることがある
・歯の根元が黄色や茶色に着色している
・毎日の口腔ケアが不足している自覚がある
・しばらく歯医者に行っていない
当てはまる項目が多い方ほど要注意です。
治療方法としては、従前の「削って詰める」治療よりは、早期にむし歯の兆候を発見して、削らずに失ったミネラル成分を歯に取りもどす「再石灰化(さいせっかいか)療法」が第一です。
虫歯の進行がごく初期の場合は、歯の再石化を促すようセルフケアに力を入れて頂き、経過を観察します。
ある程度虫歯が進行している場合は、進行状況によっては、虫歯の部分を削合し、コンポジットレジン充填剤で修復します。
虫歯が重度に進行している場合は神経の治療が必要になります。この場合は既に痛みやしみるなどの自覚症状が既に現れていることが多いです。
最後にご自宅でできる予防方法をご紹介します。
⭕️毎日の歯磨き
軽い力で丁寧にブラッシングをしましょう。力をいれすぎたブラッシングは、歯ぐき下がりを起こさせてしまう原因にもなります。1か月しないうちに、歯ブラシの毛先の広がりが見られる場合は、力のいれすぎかもしれません。
⭕️デンタルフロスや歯間ブラシを用いたケア
歯と歯の間に挟まった食べ残しはブラッシングだけでは、取り除くことができません。
⭕️洗口液の使用
洗口液で口腔内をゆすぐと虫歯・歯周病の予防効果が高まります。
⭕️フッ化物配合の歯磨き粉の使用
フッ素には再石灰化を促進する、歯の質を強化する、歯垢中のむし歯菌が酸を作り出すのを抑制するなど、むし歯予防に役立つ働きがあります。もちろん歯冠部のむし歯と同じように、根面う蝕にもフッ素は有効です。