日本矯正歯科学会認定医・歯学博士 河底晴紀
2025年1月17日、私たちは再び阪神・淡路大震災の発生日を迎えました。この日を通じて、災害への備えについて考えるきっかけを持つ方も多いのではないでしょうか。そして、私の娘も1月に東日本大震災の復興プロジェクトに参加しました。被災者の方々の声を直接聞きながら、何が必要だったのか、何が不足していたのかを改めて学んできたようです。
災害時における衛生管理は、生存に直結する重要な課題です。その中でも、歯ブラシの備蓄が注目されています。歯磨きは口腔衛生を保つだけでなく、体全体の健康にも影響を与えるため、避難生活では欠かせないものです。今回は、災害時に歯ブラシがなぜ必要なのか、備蓄におすすめの歯ブラシについて詳しくご紹介します。
災害時に歯ブラシが不足して困った声
被災地での経験者の声を集めると、以下のような意見が多く聞かれます。
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「食べ物の後に歯磨きができず、口の中が不快だった」
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「避難所で配布された歯ブラシが足りず、使い回しで衛生的に不安だった」
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「体調を崩しやすくなったのは、歯磨きができなかったことも一因かもしれない」
このような声からも、歯ブラシの備蓄が個人や家族単位での防災対策において欠かせないことがわかります。
災害時に歯ブラシが必要な理由
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口腔衛生を保つため
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食事後の歯磨きを怠ると、細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
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全身の健康維持
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口腔内の細菌は体内に侵入しやすく、免疫力が低下した避難生活では感染症のリスクが増大します。
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精神的な安定
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歯磨きをすると気分がリフレッシュし、避難生活のストレス軽減につながります。
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備蓄におすすめの歯ブラシと関連アイテム
災害時の歯ブラシ選びでは、以下のポイントを考慮しましょう。
1. コンパクトで高品質な歯ブラシ
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スウェーデンTePe製品
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マツコの知らない世界でも絶賛された歯ブラシ。個包装で衛生的、カラーバリエーションが豊富で家族全員で使いやすい。
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2. 水を使わない歯磨きアイテム
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洗口液(モンダミン)
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災害時は水が貴重なため、モンダミンのような洗口液があると口腔衛生を保つのに役立ちます。小型サイズもあり、防災グッズに適しています。
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3. 備蓄の工夫
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歯ブラシケースの活用
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100均で購入できる歯ブラシケースを活用し、清潔に保管しましょう。
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防災グッズに新しい歯ブラシを常備
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未使用の歯ブラシを家族分準備し、すぐに使える状態で保管しておきましょう。
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歯ブラシ備蓄のポイント
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定期的に交換
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歯ブラシは長期間保管すると劣化します。備蓄品は半年ごとに入れ替えを。
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人数分を準備
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家族全員分を確保し、子どもや高齢者のニーズも考慮しましょう。
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避難袋に追加
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歯ブラシは避難袋に常備し、すぐに持ち出せるようにしておくことが大切です。
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災害時の備えを見直すきっかけに
1月17日は、災害への備えを見直す日でもあります。過去の経験を活かし、防災用品の中に歯ブラシと洗口液を含めることは、見落としがちな重要なポイントです。災害時に口腔衛生を保つことが、自分自身と家族の健康を守る大きな一歩となります。
被災者の声を聞き、私たちができる備えを今一度考えましょう。そして、備えがあることで不安を軽減し、どんな状況でも自分たちの生活を守れる準備を整えましょう。