
令和という新しい時代が始まりました。平成の30年間でも歯科医療は大きく変わりました。そしてこれからの時代、歯科はさらに進化し続けるでしょう。今回は「勉強し続けること」をテーマに、当院の院長のこと、そして歯科という仕事を通じて私が感じていることを正直に書いてみようと思います。
院長の「学ぶ姿勢」——家族よりも講習会を選ぶ男
当院の最大の特色を一言でいうなら、「院長が勉強し続ける歯科医師である」ということです。
診療のある日は朝から夕方まで患者さんの治療に向き合い、診療のない日はほぼ例外なく講習会や勉強会の予定が入っています。土日もセミナーへ。連休もセミナーへ。「たまには家族の時間も……」という家族からの訴えは、いつもスルーされています。
講習会から帰ってきた院長は、疲れた顔ひとつ見せず「今日は〇〇の新しい技術を学んだ。本当にためになった」と目を輝かせながらその日の学びを語ります。疲労感より充実感が勝っている——そんな姿が、診療のある日もない日も変わらず続いています。
私から見ると「もう少し休めばいいのに」と思う日もありますが、正直なところ、この人が「もう十分学んだ」と立ち止まる日は来ないのだろうと感じています。歯科医師免許を取得してすでに20年以上——それだけの経験を持ちながら、なお学び続けている姿は、一緒に仕事をしていて誇らしいです。
なぜ20年以上の経験があっても学び続けるのか
「20年以上のキャリアがあれば、もう十分なんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。でも歯科医療の世界では、それは通用しません。
歯科医療は、毎年・毎月・毎日のように新しい技術・材料・エビデンス(科学的根拠)が生まれ続けています。10年前の「最善の治療法」が、今では「もっと良い選択肢がある」と変わっていることも珍しくありません。
素材・形状・表面処理・術式が年々改良され、より短い治癒期間・より高い長期安定性を実現する技術が常に更新されています。
3Dスキャナー・AIによる治療計画・マウスピース矯正の精度向上など、矯正の世界は特にデジタル技術の進化が著しい分野です。
麻酔の技術・電動注射器・表面麻酔の工夫など「痛みをゼロに近づける」ための研究は今も続いています。
「治った」ではなく「10年後・20年後も安定して機能する」ための基準が常にアップデートされています。
院長が講習会に参加し続けているのは、「患者さんに常に最善の治療を提供したい」という一点のこだわりからです。新しいことを学ぶのが好きという性格もあるとは思いますが(笑)、根底にあるのは患者さんへの真摯な向き合い方だと、18年以上一緒に仕事をしてきた私はそう感じています。
それでも学び続ける理由
歯科医師免許を取得して20年以上が経ちますが、院長が講習会・勉強会への参加をやめたことは一度もありません。「経験があるから学ばなくていい」ではなく「経験があるからこそ、新しい知識の重みがわかる」——それが院長の姿勢です。
歯科という仕事で感じること——「歯を治す」以上の仕事
私は事務方として当院に携わって18年以上になります。入職する前は、歯科医院とは「歯が痛くなったら行くところ」「虫歯を治すところ」というシンプルなイメージを持っていました。
でも実際に中から歯科の世界を見てきて、その認識は大きく変わりました。
患者様の幸せな生活に貢献する」
歯並びが変わった患者さんは、見た目だけでなく自信が変わり、人生が変わります。噛めなかったものが噛めるようになると、食べることへの意欲が戻り、味覚の喜びが変わります。入れ歯の不便さから解放されてインプラントで噛む力を取り戻した患者さんが、目を潤ませながら「ありがとう」と言ってくださる場面を、私は何度も見てきました。
そしてもう一つ、とても大切なことがあります。70歳・80歳になったとき、当たり前のように総入れ歯になるのではなく、20本以上の自分の歯で食事ができること——これは人生の質を左右する、非常に重要なことです。
「8020運動」という言葉をご存じでしょうか。「80歳になっても自分の歯が20本以上残っている」ことを目指す取り組みです。自分の歯で食事ができることは、栄養摂取・認知機能・全身の健康と深く関係しています。
人生の最後の10〜20年を寝たきりで過ごさないためにも、今のうちから歯の健康を守ることが重要です。歯科は「痛くなってから行くところ」から「健康を守るために定期的に通うところ」へ——その意識の変化が、人生の質を大きく変えます。
患者さんのライフストーリーを受付から見ている
受付という立場で患者さんと接していると、ふとした瞬間に「この仕事をしていてよかった」と思う瞬間があります。
先日、新人スタッフの雇用手続きでハローワークに行ったとき、担当の方に呼ばれて顔を見てびっくり——なんと当院の患者さんでした。
Iさんは、当院がまだ今町にあった頃からご家族で通ってくださっていて、矯正治療を受けられ、大学へ進学、就職、転勤を経て、今回福山に配属されたとのことでした。そのハローワークで再会したとき、Iさんは「先生に矯正してもらって本当によかったです」と笑顔で話してくださいました。
矯正治療が終わってから何年も経ち、別々の場所で人生を歩んでこられたIさんが、こんなかたちでまた縁をいただけるとは——受付業務の枠を超えたところで、この仕事の意味を感じた瞬間でした。
また、日々の診療の中では、患者さんたちの人生のさまざまなステージのご報告をいただきます。「東京大学に合格しました」「結婚することになりました」「子どもが生まれました」——なかには、矯正治療を終えられた後に芸能界デビューされた方もいらっしゃいます。
受付でお話しできる時間はほんのわずかです。でも小さい頃から通ってくださっているお子さんが成長していく姿を継続して見られること、人生のさまざまな節目のご報告をいただけること——これは、長く一つの医院でお仕事を続けているからこそ得られる、かけがえない喜びです。
歯科のこれから——デジタル化と「人」の仕事
私は事務方としてこの医院を支える立場ですが、歯科医療のデジタル化は今後さらに加速すると感じています。
診断・治療計画……3D CTやAIによる診断支援で、より精密で個別化された治療計画が可能になります。
矯正治療……口腔内スキャナーと3Dシミュレーションで「治療後の仕上がり」を事前に確認できる時代がすでに来ています。
補綴(かぶせもの・詰め物)……デジタル設計・機械加工(CAD/CAM)で、より精密な補綴物を短時間で製作できるようになっています。
院内業務・患者コミュニケーション……Web問診・オンライン予約・自動精算・アプリでの説明資料送付など、患者さんとの接点のデジタル化も急速に進んでいます。
技術がどれだけ進化しても、「患者さんの不安に寄り添うこと」「信頼関係を築くこと」「一人ひとりの人生に真摯に向き合うこと」——これだけは、どんなデジタル技術も代替できません。院長が学び続けているのも、最新の技術を取り入れながらも、患者さんへの真心を決して変えないためだと思っています。
5年後も、10年後も、勉強し続ける医院でありたい
令和という新しい時代が始まりました。これからの10年・20年で、歯科医療はさらに大きく変わるでしょう。新しい技術が生まれ、治療の選択肢が広がり、より痛みの少ない・より長持ちする治療が実現していくはずです。
でも変わらないものもあります。「患者さんの幸せな生活に貢献する」という当院のコンセプト。そして「学び続けることをやめない」という院長の姿勢——この2つは、5年後も10年後も変わらずにあり続けると思います。
これからも河底歯科・矯正歯科をどうぞよろしくお願いいたします。






