矯正治療の後の保定、キープし続けることが大切

歯科衛生士の佐藤です。こんにちは。みなさんは歯列矯正と聞いて何を思いつきますか?

「歯に付けた装置やワイヤーで歯を動かすこと」と思う人がほとんどではないでしょうか?

大人の場合、2年程度でがたがたの歯並びも治りますが、治療の後の保定こそ大切です。 むし歯や歯周病の治療のあと、メンテナンスが大切ですよというのと同じです。

では、矯正治療における保定とはどういうことをいうのでしょうか? 簡単に言うと歯を動かした後の段階で 歯の裏側に装置を付けたりマウスピースのような装置を患者さん自ら装着していただきます。 安心してください。寝るときだけです。

せっかく歯並びがきれいになって歯の表側に付けていた装置が取れたのに また装置をつけなきゃいけないの?と思った方もいると思います。 しかし、歯並びをきれいにしてすぐは歯や周りの骨がまだ新しいお口の環境に慣れていなくて元の位置に戻ろうとします。 これを“後戻り”といいます。 後戻りしないようにするには先ほど言ったような装置を使って新しい環境に慣れるまで 維持し続けなければなりません。

そしてその環境に慣れるには 矯正でかかったのと同じくらい もしくは それ以上の時間が必要なのです。 せっかく長い時間・高い金額できれいにしたのにまた戻ってしまうのは嫌ですよね? きれいなまま維持すること、後戻りを防ぐことは歯を動かすことと同じくらい大切だと言えるでしょう。

 

この維持する装置のことを保定装置といいます。 保定装置にはいくつか種類がありますが当院では取り外し式と固定式のもの2種類を使用しています。通常の医院では1つかもしれませんが、当院では基本的に二つお渡しし、後戻りをできるだけ防ぐため、お伝えするときにはちょっと怖いくらいにきちんと装置をいれてくださいね!と指導します。(大丈夫です。怖くはないです。真剣にお伝えしているだけです。)

 

当院で使用しているものをご紹介します。

①バイオスター これは取り外しのできる装置でマウスピースのように歯にはめるものです。 毎晩寝るときに付けていただくものです。  

②リテーナー  これは前歯の裏側に接着剤で細いワイヤーを付けます。外してしまうと歯がフリーな状態になります。 ですから当院ではできるだけ長くつけておくことをおすすめしています。 

以上が当院で使用している保定装置の紹介になります。 そして矯正終了後は装置が外れたり壊れたりしていないかチェックするために 3ヶ月に1度の定期検診をおすすめしております。 歯並びをきれいにして終わりではなくむし歯や歯周病など様々なお口のトラブルを予防し、 きれいがずっと続くようにお手伝いすることが私たちの目標です。

赤ちゃんの歯磨きについて いつから?どうやって?の疑問にお答えします。

今日は子育てをしているお母さん、これから赤ちゃんをほしいと思っている方に読んでいただきたい内容です。大人の方はほぼ毎日歯磨き粉を使用して歯磨きをしておられると思います。そういえば、こどもっていつから歯磨き粉を使うの?どんなものがいいの?疑問に思ったことありませんか?今日はそんな疑問についてブログを書いてみますね。

実は、赤ちゃんはミルクや離乳食などが中心なので歯磨き粉なしのブラッシングで十分汚れを落とすことができるのです。

うがいもできませんので無理に歯磨き粉を使用する必要はありません。

水をつけた歯ブラシで丁寧に歯磨きをおこなうと赤ちゃんの歯の汚れはとれるのです。

歯ブラシを嫌がる赤ちゃんには濡らしたガーゼを指に巻きつけて優しく歯の表面の汚れを拭いてあげて口の中の異物感になれるようにしてあげるとよいと思います。

あとおすすめは、食後にお茶を飲む習慣をつけお口の中をすすぐだけでも、虫歯予防の働きがあると考えられます。歯ブラシはヘッドが小さめで柔らかめの歯ブラシがよいと思います。

個人差はありますが2歳ぐらいからだんだんとぶくぶくうがいができるようになります。そうすると歯磨き粉を使い始められます。うがいができるようになったらそろそろ歯磨き粉を使っていいですよというサインです。はじめは様子を見ながら無理をしないようにしましょう。

当医院ではフッ素入りの歯磨き粉をお勧めしています。味はいちご、りんご、ぶどうの味があり好きな味を選べるので毎日楽しく虫歯予防ができます。うがいは少しのお水で口に含ませる程度でフッ素を歯に残してください。フッ素を全部洗い流すのはもったいないです。歯に残して虫歯予防です。

そして3カ月に1回歯科医院でのフッ素塗布をおすすめしています。

・歯科医院でのフッ素塗布は歯磨き粉よりもフッ素濃度の高いものであること

・プロフェショナルケアをおこないきれいな状態でフッ素塗布を行います。

・虫歯がないかチェックを行います。

 

歯磨きの習慣を赤ちゃんの時からしっかりつけてお子様を虫歯から守ってあげたいですよね。歯医者は痛いことをするところではなく歯磨きをしてフッ素を塗る所と思ってもらえたら歯医者嫌いにはならないと思います。

あともう一つだけ!最近は意識の高いお母さまが増えていますのでご存知と思いますが、

口移し、箸・スプーンの共有はだめです。

私も経験があるのですが、私達世代はわかっていても、おばあちゃん世代は意外とこれを知りません。スキンシップも赤ちゃんに与えてあげられる

大切な行為ですが、むし歯や歯周病は感染症なのだということをしつこく、お伝えしておきます。

3カ月に1回フッ素を塗る習慣をつけると大人になって歯科医院にメンテナンスに行くということが当たり前になると思います。いい習慣は人生を豊かにすると私たちは考えています。

お子様の歯を守る~むし歯のメカニズム、シーラント利用、フッ素洗口という観点から

お子様でこのような経験はないですか?

・習慣的に歯磨きをしているのにもかかわらず虫歯になってしまった!

・歯磨きが苦手で、甘いものが大好きで虫歯になってしまった!

・甘いものを食べているのに虫歯になったことがない!  など

 

今日は虫歯のメカニズムや要因、予防方法について書いていきたいと思います。

 

<虫歯とは>

お口の中には300種類以上の細菌が存在しています。この中には虫歯菌や歯周病菌が含まれていますが、特定の細菌、ミュータンス菌などが虫歯の原因菌とされており、虫歯が細菌による感染症であるという考え方が認識されてきています。

 

~虫歯のメカニズム~

  • ミュータンス菌は食事をした後、歯の表面や隙間に残った食べカスなどに含まれる糖を栄養とし歯垢をつくります。
  • 歯垢の中のミュータンス菌が増えて、糖を発酵させて酸をつくります
  • 酸によって歯の表面のエナメル質が溶かされ(脱灰がおこる)虫歯になります

 

~虫歯になる4つの要因~

  • 歯質:虫歯になりやすい歯の質(歯の質が弱い)
  • 細菌:虫歯菌(ミュータンス菌)の数が多い、歯磨きができていない
  • 糖分:不規則な食生活、歯垢になりやすい糖分の摂取
  • 時間:お口の中の酸性の時間、歯に付着・停滞する時間が長時間

4つの要因が重なったときに虫歯ができてしまいます

 

虫歯のメカニズム、要因さえ知っていれば、お子様の食事をした後の歯磨きや食生活・食事内容を見直すこともできると思います。

ちなみに、だらだら食べは時間を決めて、お菓子を食べる時の飲み物は砂糖が入っていないもの(お茶)にしたりと工夫していくのも一つの方法です。

 

 

<予防方法>

乳歯も永久歯も生えたての時期があるものです。歯の萌出後数年間は歯の石灰化度が低く、虫歯のリスクが高いのでこの時期の予防は大切になってきます。

 

~フィッシャーシーラント(小窩裂溝填塞法)~

 

 虫歯になりやすい歯の溝は複雑な形態をしています。

シーラントは、生えたばかりの溝が深い歯にレジンやセメントで溝を封鎖して虫歯を防ぐ方法です。

・メリット

  • 歯ブラシで毛先が届きにくいところがきちんと当たり歯磨きがしやすくなる
  • 高い確率で虫歯予防ができる
  • 生えたばかりの6才臼歯(第一大臼歯)を大人になるまでの期間、虫歯を防ぐことができる
  • 密閉することでバイ菌が入らないようにすることができる

 

・デメリット

  • 外れる可能性がある(定期健診でチェックしてもらうと良いかと思います)
  • 口をきちんと開けられる方でないとできない
  • シーラントをすべての歯にするわけではない

 

対象となる歯は、萌出後間もない健全な乳歯、永久歯(主に6才臼歯)になります。

定期的なフッ化物の塗布とお口の中の清掃状態の確認も必要になってきます。

 

 

~歯科医院でのフッ素塗布と家庭でのフッ素洗口~

 

虫歯予防をするのにフッ素を使うことは効果のある方法だと思います。

最近では歯磨き剤にもフッ素が入っていますが、歯科医院での定期的なフッ素塗布、家庭でのフッ素洗口の2つの方法もあります。

歯科医院でのフッ素塗布では、必ず歯垢を落とします。完全にお口の中がきれいになったうえで高濃度(9000ppm)のフッ素を塗布しますのでフッ素の効果がより高く得られます。

萌出後2~3年は虫歯になりやすいため、定期健診もかねて(当院では3ヶ月に1回)塗布していくと良いと思います。

さわやかなリンゴ味でお子様に不快感が少ないものを使用しています。

 

また、家庭でのフッ素洗口は歯磨き後寝る前に毎日してもらうことによって効果が得られます。フッ素イオンを生えたての歯の表面に作用させることを狙いとしています。

うがいができるようになる4歳頃から永久歯が生えそろう中学生頃まで行うと良いです。

フッ素塗布と洗口を組み合わせることによって虫歯予防効果が発揮されます。

大人の方にもおすすめなのでお子様と一緒に虫歯予防をしてみるのも良いかと思います。

 

このようにシーラントやフッ素をうまく活用して私たちと虫歯になる前に予防していきましょう。

 

 

マタニティ歯科 ー妊活と同時に歯科活を始めてくださいー

みなさんこんにちは。歯科衛生士の佐藤です。

先週医院のホームページが新しくなりました。

スタッフの写真や医院の内装など新しく撮ったものもありますので

ぜひ見てみてください。

 

そしてホームページの中に『マタニティ歯科』とありますが、

皆さん聞いたことありますか?

 

歯医者には一般歯科・矯正歯科・小児歯科など色々ありますが、

それらと比べて『マタニティ歯科』は聞きなじみがないと思います。

 

マタニティ歯科とは妊婦さんを対象としたものです。

妊婦さんの中には「つわりのせいで歯磨きしにくい」「歯磨きすると血が出る」「歯が痛いけどいつ治療すればいいのか分からない」などお困りの方多いのではないでしょうか?

そんな妊婦さんのお口の中の気になること・疑問についてアドバイスや、出産・子育てに向けてむし歯治療やクリーニングをさせていただきます。

 

今日は妊娠中に起こりやすい口腔内疾患や歯周病菌が及ぼすリスク、そして赤ちゃんのむし歯のリスクについて書きたいと思います。

 

《妊娠中の口腔内とかかりやすい疾患》                                  

妊娠中はお口の中の状態が変化しやすいのです。

・ホルモンバランスの変化によって唾液の分泌量が変動しやすい。

・食事の内容や回数が変化する。

・つわりによって歯磨きがしにくく磨き方が不十分になる。

などの理由が挙げられます。

 

そして歯磨きが不十分なことに加え、女性ホルモンを好む歯周病菌が増えやすいため悪循環をまねきやすいです。

 

そんな時になりやすいのは妊娠性歯肉炎や妊娠性エプーリスです

【妊娠性歯肉炎】

原因である細菌が増えやすいので少し歯垢が残っているだけでも歯茎が腫れたり出血したりしやすいです。

【妊娠性エプーリス】

あっていない被せ物や歯石があるところのように刺激のあるところにできやすく

妊娠中は女性ホルモンの分泌が増えることによって発生します。

歯茎に腫れたこぶのようなものができ、触ると痛みや出血があります。

 

これらは出産後には、軽減、消失する場合も多いです。

 

《歯周病が及ぼす影響~不妊・早産のリスク~》

歯周病が早産のリスクになることは結構皆さんご存知なのではないでしょうか?

これは歯周病菌の影響で「早く産め~早く産め~」というホルモンが分泌されるためです。

そして最近では不妊治療中の人が歯周病にかかると妊娠するまでの期間が長くなるといわれ、不妊に対しても影響があると言われています。

 

《赤ちゃんのむし歯リスク》

赤ちゃんは菌を持っていない状態で生まれてきます。

では何故むし歯になるのでしょうか?

答えはお母さんやお父さんなど周りの大人たちからです。

大人が口をつけたお箸やスプーン、コップなどをそのまま使い赤ちゃんに

ご飯をあげるときや、スキンシップでキスをするときなんかに

唾液を介してむし歯菌が移ってしまうのです。

 

そしてお母さんにむし歯があるかどうかということは

子供がむし歯になる確率に大きく関わっています。

2歳児のむし歯発生率

婚活、妊活という言葉がたくさん聞かれる一方で以外とおろそかになっているのが口腔内のケアなんです。

妊娠してから歯周病がすすんだ妊婦さんは早産リスクが高いですよといってももうその時にはすでに赤ちゃんがお腹の中にいます。妊活をするときに同時に歯科

活もしてみてください。

生まれてくる赤ちゃんのためにも、お母さん自身のためにも

赤ちゃんが生まれる前から~マイナス1歳からのむし歯予防~を

家族全員で始めてみませんか?

 

 

 

お口の中の唾液の働きとは?

こんにちは。アシスタントの重森です。

暑い日が続きますが、体調管理は大丈夫ですか?

 

私は先日、妹の結婚式に出席しました。

披露宴で妹への手紙を朗読したのですが、大変緊張してしまいました。

緊張すると、口がカラカラになりますよね!

あなたもそんな経験をされたことがあると思います。

緊張するということは、ストレスがかかっている、という状態。

ストレスがかかると交感神経という、体を活動的にする神経が強くはたらきます。

交感神経が強くはたらくと、水分の少ないネバネバとした唾液が分泌されます。

だから口の中が乾燥してカラカラになるんですね!

 

・・・ということで、今回のお話しのテーマは「唾液」です!

ふだん「唾液」について考えることはあまりないですよね?

今日はたっぷりと「唾液」について語ります!

 

【唾液はとっても働きもの!】

あなたは1日に唾液がどのくらい分泌されると思いますか?

なんと1~1.5リットルも分泌されると言われているんです!

意外と多いと思いませんか?

そんな、たくさん分泌されている唾液には、たくさんの働きがあります。

 ・歯ぐきや舌などの粘膜を保護して傷つかないようにする・・・「潤滑作用」

 ・ご飯をよく噛むと甘くなる、食物に含まれるデンプンを糖に変える・・・「消化作用」

 ・ケガをしたら唾をつけておけば治る、と言われる・・・「抗菌作用」

 ・食べかすを洗い流してお口に残るのを防ぐ・・・「洗浄作用」

 ・お口の中のpHを正常に保って歯が溶けるのを防ぐ・・・「緩衝作用」

 

【唾液が減るとどうなるの?】

こんなに働きものの唾液!

そんな唾液が減ってしまうと、どうなるのでしょう・・・?

唾液の分泌量が減って「口が渇く」という状態。

一時的なものなら良いのですが、慢性的になると「ドライマウス(口腔乾燥症)」という病気です。

唾液の量が減ると、お口の中の洗浄作用が少なくなります。いつまでも食べかすがお口の中に溜まったままになり、その食べかすをエサにして細菌が増える、という状態に・・・。

さらに、飲食によって下がったお口の中のpHもなかなか元に戻らなくなります。

お口の中が酸性のままだと、酸がエナメル質という歯の表面の層を溶かしてしまいます。(エナメル質の脱灰)

そう、働きものの唾液が少なくなると、むし歯や歯周病のリスクが高まるのです!

また、細菌が溜まることによって口臭の原因にもなってしまいます。

 

【唾液が減るのはどうして?】

唾液は、自律神経(内臓をコントロールする神経)からの指令が唾液腺に伝わり、血液を元にしてつくられます。

簡単に言えば、唾液という「製品」を作るにあたっての、自律神経が「指令部」、唾液腺が「工場」、血液が「材料」というわけです。

なので、唾液が少なくなるということは、「指令部」である自律神経のバランスが乱れていたり、「工場」である唾液腺の不具合であったり、「材料」である血液が不足していたり、という様々な原因があります。

 

【唾液の分泌量アップ!】

ふだんの生活の中で少し工夫することでも唾液の量をアップさせることもできます。

  • よく噛んで食べる

  噛むことによる刺激で唾液腺や自律神経も刺激され、

よりたくさんの唾液が分泌されます。

  • 規則正しい生活をする

  唾液をつくる為の「指令部」である自律神経のバランスを整えることも大切。

  自律神経は、交感神経と副交感神経が交互にはたらいてバランスを保っています。

  睡眠時間や食事の時間などが不規則になることでもバランスが乱れます。

  • コーヒー、紅茶は控えめに。お酒もほどほどに・・・

  カフェインの入った飲み物やアルコールには利尿作用があります。

  尿の排泄によって体の水分が減ると、唾液の材料である血液も減り、

  作られる唾液量も少なくなります。

  • 口呼吸ではなく鼻呼吸にする

  口で呼吸をすると唾液が蒸発して、おのずとお口の中が乾燥します。

  • 唾液腺マッサージをする

  強くゴリゴリとするのではなく、やさしくマッサージをしましょう。

いかがでしたか?

唾液にはむし歯や歯周病のリスクを軽減するという、とっても役に立つ働きがあることが分かりましたね!

また、普段の生活にひと工夫することで唾液の量をアップできることもできますので

試してみてください。

唾液腺のマッサージ方法についても分かりにくい場合は当院の歯科衛生士にお気軽にお声かけくださいね!

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