歯周病と全身疾患との関係

歯周病と全身疾患との関係

皆さん、「歯周病」はどんな病気か知っていますか?

歯茎が腫れたり歯垢が溜まったりとなんとなくイメージはできると思います。

歯周病とは、歯周病細菌が歯と歯茎の間に入り、歯周組織に炎症が起きる病気です。

実は日本人の成人が歯をなくす原因第一位が歯周病なのです。

歯の構造には、エナメル質、歯肉、セメント質、歯槽骨、歯根膜とよばれる4つの組織があります。

歯周病になる原因は歯周病細菌です。歯と歯茎の境目は溝になっていています。

そこに歯ブラシが当たっていないと、多くの歯周病細菌が溜まり、歯茎が炎症を起こしたり、腫れたり、出血が起きたりします。

原因の歯周病細菌を取り除かないと、歯周病を進行させる毒素を出していき、歯周病を進行させます。

私たち、歯科衛生士は初診の方、歯周病治療、定期検診などに来られた方を対象に歯周病の進行度を測る検査を行っています。

歯周ポケットが2~3mmが正常、4mm以上になると歯周病が進んでいる状態になります。

検査で出血をすることがありますが、血が出るということは歯茎が腫れていたり炎症があるだけではなく、血管に歯周病細菌が入って体中を回っているということになります。

このことから歯周病はお口だけの問題と思われがちなのですが実は全身と大きく関わってくるのです。

歯周病細菌が悪さをすると全身のどのような病気と関わってくるのでしょうか。

<糖尿病>

よく知られているのが歯周病と糖尿病の関係です。

糖尿病によって弱っている体は、歯周病菌に抵抗する力も弱くなっています。ですから、歯周病にかかりやすく、治りにくく、重症になりやすくなります。歯周病の治療を積極的にすることで血糖コントロールが改善すると言われています。

<心・血管疾患>

心臓病、脳卒中は動脈硬化を原因とする心血管疾患で、歯周病細菌などの刺激によって、血管を詰まらせる原因になる物質を出して血管を詰まらせます。血液中の炎症性の物質の数値が高いと起こりやすくなります。歯周病の方は全身が軽い炎症状態にあるので、炎症性物質の数値が少し高くなり、動脈硬化が起こりやすくなります。

他にも直接歯周病菌が入ってしまう肺炎や体の骨密度が低いことから同年代や同じ歯周病の要因を持つ方と比べて骨粗しょう症の人は歯周病になりやすい傾向があります。

このように、歯周病は全身疾患と関連しているので、歯周病の治りが遅くなったり、病気の治る傾向が悪くなったりすることがあります。

歯周病のリスクは妊婦の方にもあります。歯の治療がおなかの赤ちゃんに影響するのではないかとか、体調が悪いこともあってタイミングを逃してしまい出産までに歯の検診に行けなかったという妊婦の方が多いです。

歯周病になると、歯周病細菌が血管の中に入り子宮にのぼって感染してしまうことがあります。

つわりによって歯磨きを行いにくかったり、食べ物の変化により歯の表面が弱くなることがあります。

そして、ホルモンバランスの変化によって唾液の分泌量に変動が起こりやすいです。

お口の環境を整えている唾液の働きが低下するため、お口の中にバイキンが停滞し、虫歯や歯周病になりやすいです。

歯周病にかかっている妊婦の方はかかっていない方に比べ、早産リスクが7倍に膨くらむといわれています。歯周病の炎症があると、子宮を収縮させる作用がある物質(プロスタグランジン)の血中濃度が高まります。特にプロスタグランジンは陣痛促進剤として使用されるほど子宮収縮作用が強いです。また、歯周病細菌の中には女性ホルモンの影響で増えていく菌があります。歯周病が重症化すると早産や低体重児のリスクが高まり、不妊リスクや不妊治療中の方は妊娠を遅らせる可能性があります。

以外と知られていないんですよね。

妊娠中の方、不妊治療中の方も歯周病を治療して自分もおなかの赤ちゃんも一緒に守りましょう。

歯周病は予防できる病気です。

予防するために患者さんにしていただくことはこの4つです。

■自分でバイキンをコントロール(自宅でのブラッシング)
■歯周病細菌を減少される習慣を身に付ける
■歯石やバイオフィルム除去(歯周病治療に通う)
■定期検診に通う

歯周病は気づかないうちに進んでいます。

歯を長持ちさせるため、自分の歯でおいしく食事をするため、全身の健康を維持するために

歯周病の早期発見や進行をさせないよう、定期検診、歯周病の治療を積極的に行っていき、予防をしていくことが大切です。

妊娠したら赤ちゃんにカルシウムを取られる?!

みなさんこんにちは、歯科衛生士の佐藤です。

以前、妊娠中の女性の口腔内についてブログに書きましたが、今回は産後の口腔内について書きたいと思います。

 

「妊娠してから歯が弱くなった」「妊娠中に赤ちゃんにカルシウムが取られたから?」と思っている方は少なくないのではないでしょうか。

確かに妊娠中に摂取されたカルシウムをはじめとした栄養分は胎盤を通して赤ちゃんへと

運ばれていきます。

しかし、お母さんの歯や骨が溶けてカルシウムが赤ちゃんに取られることはありません。

では、お母さんたちが歯が弱くなると感じるのは何故なんでしょうか?

それは妊娠中の口腔内の変化が関係しているんです。

 

では、妊娠中の女性の口腔内の特徴のおさらいです。

・つわりの影響で歯磨きがしづらい。

・ホルモンバランスの変化によって唾液の分泌量が変わる。

・女性ホルモンが好きな歯周病菌や歯磨きが不十分なことが影響し、

歯周病やむし歯になりやすい。

・食事の時間がバラバラになりがち。

などがありました。

 

食事の時間がバラバラになるとなにがいけないのかというと、

普段のお口の中は中性に保たれています。そして食事をすると酸性になり(歯が溶けやすい状態)、唾液の作用によって中性に戻る。というのを繰り返しています。

しかし食事の時間がバラバラになると酸性の状態から中性に戻る前にまた酸性になるというのを繰り返します。そのため歯が溶けやすい状態にあることが多くなります。

その結果むし歯になりやすいのです。

 

 

つまり妊娠中の口の中は《ばい菌が増えやすい環境+歯磨きがしづらい+唾液が少ない》と

気づいていないかもしれませんが妊娠以前よりもむし歯や歯周病になりやすい環境になっているのです。

 

しかし、出産を終えたからと言ってこれらが全て改善するのかと言われるとそうではありませんし、むしろ出産後は赤ちゃんのお世話にかかりっきりでお母さんのお口のケアなどは後回しになりがちなのではないでしょうか?

 

出産後もこのような口腔内の環境・生活環境が続くことによって「一子を得ると一歯を失う」と言われるように気づいたときにはむし歯や歯周病が進行している状況になっているのです。

 

子育てが少し落ち着いてから歯医者に行くと大きなむし歯になっていて何度もかよわなければならなくなったとしても赤ちゃんを連れて何回も歯医者に通うのは大変ですよね?

 

そうならないためにも出産前からの歯科検診に通いむし歯がないかなどを定期的にチェックすることが大切なのです。

 

また、お母さんにむし歯があるかどうかは赤ちゃんにとっても重大な問題です。

生まれてきた赤ちゃんは最初は口の中にむし歯菌はいない状態です。

しかし、お母さんやお父さんの使ったお箸などをそのまま使いご飯をあげることやキスなどのスキンシップを通して赤ちゃんにむし歯菌が移っていくのです。

 

赤ちゃんと関わるうえで大切なことはスキンシップをしないことではなく

むし歯菌を移さないようにむし歯は赤ちゃんが生まれる前に治す。

そして生まれてからも作らないようにすることです。

 

そのためには定期的な歯科検診と不規則になってしまった食習慣を整えることが

大切なのではないでしょうか。

むし歯じゃないのに歯がしみる?!それは知覚過敏かも・・・

むし歯ではないのにアイスを食べると歯がキーンとなったり、歯ブラシを当てると歯がヒリッとした経験はないでしょうか。

もしかしたら『知覚過敏症』かもしれません。

 

知覚過敏症は、普段皆さんはCMでよく耳にする言葉だと思いますが、エナメル質やセメント質が何らかの原因で欠けてなくなると象牙質が出てきてしてしまいます。象牙質には象牙細管(ぞうげさいかん)と呼ばれるごく細い管が集まっている層で、この管は歯の中心部の神経に繋がっています。この管を通して冷たい風が当たったり、冷たい水を飲んだり、歯ブラシなどの刺激が当たるとむし歯が無くても一過性に痛みを訴えてしまう疾患です。

特に30代から40代の方に多いです。それ以上になってくると加齢に伴い神経が細くなり、刺激に鈍感になってきて感じにくいことがあります。

知覚過敏による原因はいくつかあります。皆さんも一緒にチェックしてみてください。

・歯磨きによる摩耗:ブラッシングの圧が強く歯がすり減ってしまい象牙質が出てくる

・咬耗:歯と歯の過剰な接触により象牙質が出てくる

・歯肉退縮:歯茎の位置が加齢とともに少しずつ下がり、歯の根っこが出てきて象牙質がむきだし状態になる

・ホワイトニング:歯を白くする薬剤によって症状がでてくることがある

・虫歯治療後:虫歯を削った後は歯の神経が過敏になっているので、治療後はある程度の期間にしみることがある

・食生活(生活習慣):柑橘系の飲み物やサプリメント、酸性食品など酸味の強い物を口にしたときに、歯の根元が酸によって歯の表面が溶けることがある

 

どうですか?いくつかあてはまるものはありましたか?

皆さんがお家でできることは、ブラッシング圧のコントロールや、食生活です。

柑橘系の飲み物を飲むときにはストローを使って飲んでみてください。

ちょっと工夫すれば、知覚過敏も防ぐことができると思います。

当院では、食生活についてお聞きし、歯茎が下がっていないかのチェックやエアー(風)をかけてしみないかなどのチェックを行っています。そこで知覚過敏症と診断された場合、知覚過敏の処置を行います。

象牙細管を塞ぐ処置(しみ止めの薬を塗る)、知覚過敏用のペースト(歯科専用)などを使いブラッシングを行います。

 

当院には知覚過敏を防ぐ、知覚過敏用の歯磨き剤もあります。

この歯磨き剤には、痛みの伝達を抑える成分と象牙質の穴をふさぐ成分が入っています。

低研磨性で長時間使っても歯は削れにくいので知覚過敏の方に適しています。

お家で使われる時は、成分の効果が薄まってしまうので歯ブラシは水に濡らさずに、歯磨き剤は2センチつけて磨いてみてください。

歯の根部の象牙質の露出を防ぐには歯周病の予防に努めることと、歯肉の退縮が進みやすいような不適切な歯みがき法をしないことです。

またプラークが付着した状態が長く続けば、歯の表面が酸により溶けて、知覚過敏が起きやすくなります。この場合にはむし歯も進行しやすくなります。

つまり歯周病とむし歯の予防が、知覚過敏の予防につながるのは明らかです。

最近、冷たいものがしみるな~、歯磨きをしてヒリッとすることがあるな~と症状がある方はひどくならないうちに歯科医院へお越しください。

歯磨き後のうがいは1回?!

10月も半分になり、あと1か月半で今年が終わろうとしています。1年の過ぎるペースが年々早くなっていくような感じがしてなりません。歯科衛生士の藤井です。

さて、本日は歯磨きした後のうがいの回数について少し考えたいと思います。いきなりですが、みなさんは歯磨きをした後に何回コップの水を口に含んで吐き出してを繰り返していますか?

毎日何気なく行っていることなので、回数を聞かれると考えこんでしまうかもしれません。

歯磨きをした後はお口の中に歯磨き粉や食べかすが残った状態なので、歯磨き粉の味が無くなるまで何回もゆすいでしまっているかもしれませんね。

実は歯磨き後のうがいはタイトルにも記載しているように「1回」がベストなのです。

「歯磨き後のうがいが1回」という情報は、歯の特集をしていたテレビ番組や雑誌で見たことがあるので、何となく知っていた方もいらっしゃっるかもしれません。でもなぜ「1回」がよいのでしょうか?

 

歯磨き粉のパッケージを見ると色んな成分が入っていますが、一番目に付く成分はフッ素ではないでしょうか。フッ素は歯科で「フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤をオススメします!」とアドバイスを受けたり、お子さんの歯のクリーニングで「フッ素を塗っておきました」と説明を受けることもあると思うので、歯にいいイメージは持っているかもしれません。

実際にフッ素には虫歯になりにくくする効果や歯を強くする効果があります。

少し難しい言葉ですが、

「酸産生抑制機能・再石灰化促進機能」

というものです。

お口の中にいるミュータンス菌などの細菌が食べ物や飲み物に含まれている糖分を餌にして体に取り込み酸を出すことで歯を溶かし穴が空いてしまうのが虫歯なのですが、お口の中が酸性になるとフッ素がイオン化という状態になりそれ以上酸が作られるのを防ぐ働きをしてくれます。そして酸により柔らかくなった歯を再び元の状態に戻す再石灰化の手助けをしてくれます。

こんな素晴らしい効果のあるフッ素をお口の中に留めておきたいですよね!

フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きをしてフッ素が歯にコーティングされるとフッ素がすぐに歯に取り込まれる訳ではなく、徐々に浸透していくので定着するまで少し時間がかかります。またコーティング中に水を含むことでお口の中のフッ素が流れて濃度が薄くなってしまいます。

1番いいのは歯磨き後のうがいをなしにすれば歯磨き粉のフッ素をそのままお口の中に留めておくことができますが、磨いた後は食べかすが出てきたり歯磨き粉は食品でないため、磨いた後の状態で放っておくのは好ましくありません。フッ素が大量に流れてしまわないよう最低限の少量の水で流してあげるのがおすすめだと思います。

 

知らずに今まで何回もうがいしてしまって常識を覆された!!という方もいらっしゃるかもしれないので、補足して正しい日常の歯磨きの手順も伝えたいと思います。

 

①まず年齢に応じた量の歯磨き粉を歯ブラシにつける

・歯が生えたころ(約6か月)~2歳→子どもの切った爪程度

・3歳~5歳→5㎜以下

・6歳~14歳→1㎝程度

・15歳以上→2㎝程度

 

②次に歯を磨く前に歯磨き粉を歯の面全体に広げる

③そして2~3分、歯磨き粉の泡立ちを保つために歯磨きをする

④泡立った余分な歯磨き粉を吐き出す

⑤最後に10~15ml(小さじ2杯分くらい)の水をお口に含んで5秒間ぶくぶくうがいを1回する

⑥注意点として歯磨き後1~2時間は飲食をしないほうがよい

 

といった流れです。最後の「歯磨き後1~2時間は飲食をしないほうがよい」というのもポイントです。うがいを少量に留めたのに飲食でフッ素が流れてしまってはもったいないですよね。

 

フッ素をお口に留まらせるイメージで、今日から歯磨き後のうがい回数を減らしてみてはいかがでしょうか?

むし歯にならないためのガム?!

7月に大阪研修に行ってきました。そこで色々と為になる講義を受けてきました。

今日はその報告をさせていただきます、住井です。

虫歯予防と聞いて一番に思うことってなんでしょうか?

やっぱり歯磨きですよね。歯を磨いて予防になるっていうのはみなさんきっと知っていると思います。もっと簡単で楽しく楽しみにできる虫歯の予防方法を習ってきました。

フッ化物入りのデンタルガムを2粒食後に10分~20分噛むというものです。

甘いものは控えましょうと言われるのかと思っていた私は、

え!?食べて虫歯予防できるの??となんだか得した気分になってしまいました。

食後、口腔内は酸性になり歯は脱灰していきます。

ガムを噛むことにより唾液の分泌が促され虫歯になりにくい正常な範囲に保とうと抵抗してくれるのです。歯の脱灰を防ぐ重炭酸塩という成分が最大で約60倍も多く含まれるのです。唾液ってすごい役割をしてくれるのです。

ガムをかんですぐに10分~20分間、唾液中にフッ素濃度が1ppm程度に保たれます。これはフッ素入りの歯磨剤使用後うがいをしたときと同じ状態です。この状態が続くことで歯の再石灰化を促進します。そして、食後2粒デンタルガムを噛むことを続けると2年後には歯垢中のミュータンス菌の数は半分以下になります。ポイントは続けるということですね。ガムも進化をしてきているのです。

第1世代=シュガーレス

第2世代=シュガーレス+カルシウムイオン

第3世代シュガーレス+カルシウムイオン+フッ化物イオン

味もおいしく20分間味も続きます。噛んで唾液を出すというのはいいことなのです。

唾液の分泌はストレス、薬などの影響を非常に受けます。食事も柔らかい物が増えているのでデンタルガムを食後に噛む習慣をつけることで唾液の出にくい状態をカバーできますよね。これからは1、自分の歯にあった歯ブラシ

2、フッ化物入りの歯磨き粉

3、フッ化物入りのデンタルガム

ガムを噛むことはおいしく虫歯予防、唾液の分泌も促してくれる。

一石二鳥以上の効果、一石三鳥だと私は思います。

でも歯科医院での定期検診もお忘れなくよろしくお願いしますね。私たちも定期健診で皆様に会えるのを楽しみにしています。分からないことなどなんでも聞いてくださいね。

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