ドイツよりSiCAT導入

毎日良い睡眠がとれていますか?

本来、睡眠というのは日中活動した脳と身体を十分に休ませるものです。

良く眠った夜の次の朝は、気持ちがよく、疲れが取れてスッキリした感じがあります。

しかし、寝たのに疲れが取れない、寝苦しいことがある、いびきがうるさいと周りの人から指摘を受けたことがある、睡眠中に呼吸が止まっていたと指摘されたことがあるなど、心当たりがある方はもしかしたら睡眠時無呼吸症の兆候があるかもしれません。

ところで、睡眠時無呼吸症とはどのような病気かというと、睡眠中に無呼吸と低呼吸(いびき)を繰り返す病気です。原因は、空気の通り道である気道が寝ているときに閉鎖してしまうからです。顎が小さい方や、狭い方、肥満、舌が大きい方になりやすいとされています。

この病気は、熟睡できていないため、日中に眠気が強くなり、集中力の低下などが引き起こされ、日中の様々な活動に影響が生じてきます。

また、無呼吸と低呼吸を繰り返すため、低酸素状態が起こって心臓に負担がかかります。

よって、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こしやすくなります。

そのような方には、睡眠時無呼吸症の治療をおすすめします。

歯科では耳鼻科での診断後、歯の型取りをしてマウスピースを作製し、マウスピースを寝るときにお口の中に入れてそのまま寝てもらう治療方法になります。

この治療方法は今までどおりです。この度導入したのはドイツ・シロナ社製、X線で気道の容積を計測するシステム「SICAT AIR」です。

気道内を解析するための世界初の3Dソリューションソフトウェアで、睡眠時無呼吸症候群の度合いをデジタルで評価してくれる最新機器になります。

 

 

 

 

 

 

このソフトは気道の狭さの程度の判断や評価、断面図で気道の状況確認、気道の比較ができ、治療計画の可視化ができるものになっています。

今まで通りのマウスピースも保険で作成することができますがドイツ製SiCATで作成したマウスピースは

格段に装置が薄く違和感のないものであり、気道の解析をすることによってより精密な装置が作成可能です。

 

 

 

 

 

 

マウスピースの治療の効果は、適切な下顎と顎関節の位置、気道の開き具合をSICATで直接見ていくことができます。

マウスピースは一般の歯ぎしり防止用やスポーツ選手が使用しているものとは異なり、下顎を数mm突き出してかみあわすようにするものです。

マウスピースをはめることで下顎が持ち上がり、気道が開きます。空気が通るのでいびきや無呼吸を防止します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院ではこういった最新の機器を使って診断治療計画の作成を行うことができます。

患者さんに深く理解していただき、実感のある治療をしていただきたいと思っています。

ただのいびきと思わず、睡眠時無呼吸症候群かも!?と思ったら相談に来てみてください。

矯正治療を開始した場合の準備について

秋も深まり、朝晩はずいぶんと寒くなってきました。季節の変わり目ですが体調に気をつけながら、食欲の秋、スポーツの秋などいろんな秋を楽しみたいですね♪

さて、今回は大人の矯正の装置が付くまでの流れについてお話ししたいと思います。受診したらすぐに装置が付くの?と思われがちですが、実は、矯正の装置が付くまでに様々な準備が必要になります。

(小児矯正の一期治療の場合はこのような装置はまだ使いません)

  1. ゴムで歯と歯の間を空けます。

まずはセパレートという作業を行います。セパレートとは、下の画像のように歯と歯の間にゴムを入れ、ゴムの伸縮性を利用して歯と歯の間に隙間を作る作業です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セパレートの段階から歯を動かすことになるので、個人差もありますが歯の痛みも出てきます。しかし次のステップに進むための大事な作業なので、頑張ってクリアしていきましょう。

    2.自分の歯に合ったバンドを探していきます。

バンドとは、奥歯に付ける輪状の金属のことです。歯に指輪をしたような状態で歯の周囲を覆うので、奥歯で矯正装置を完全に固定することができ、矯正装置が外れにくくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.セパレートで空けた歯と歯の隙間を使ってこのバンドをつけることになります。

歯の大きさは人それぞれなので、その人の歯にあったバンドのサイズを探していきます。これをバンド試適といいます。詰め物が入っている歯や、複雑な形の歯、歯と歯の間が狭くセパレートの効果が出にくいタイプの歯の持ち主の方は、バンドを合わせる作業に手間取ることがあります。また、なるべく痛みのない状態で、バンドを合わせたいので、セパレートにきていただいて歯型を採り、バンドを合わせて装置を作ります。

装置のために歯型を採り、石膏を流して模型にします。この、お口の中を再現した模型をもとに院内で装置を作っていきます。石膏が固まり、模型ができたら、試適して合わせたバンドを付けて、ワイヤー(針金)を曲げていきます。次に熱した金属を溶かし、曲げたワイヤーとバンドを接着させます。最後に、模型から外してキレイに研磨します。これで装置は完成です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、これでやっと準備は完了です。装置をセットするお約束の少し前に、再度セパレートを入れた後、ついに装置が入ります。

このように、装置が付くまでには少なくとも5~6回お越しいただいて、準備が必要になります。お口に合った装置を作るために、細かい調整をすることが大切なんですね~!

不安なことや疑問がありましたら遠慮なくお話してください。キレイな歯並びを目指して一緒に頑張りましょう(^^)

睡眠時無呼吸症候群 〜ただの不眠ではなく病気です

こんにちは。トリートメントコーディネーターの重森です。

暑い夏も終わり、初秋の頃を迎えました。

秋・・・というと「秋の夜長」という言葉がありますね。

秋が深まるにつれて夜が長くなることを意味します。

ちなみに「夜長」とは秋の季語のひとつです。

正岡子規が作った俳句の中に、

 ・・・長き夜や障子の外をともし行く・・・

という一句があります。

これは、秋の夜長になかなか寝付けないときに、ふと障子に目をやると外の廊下を灯をともして通り過ぎる姿があった、自分以外にも起きている人がいることでホッとする安心した様子を詠んだ俳句です。

あなたもこの正岡子規のような思いをしたことはありませんか?

「ああ、ほかの人も起きているんだな・・・」

と、ホッとしている場合ではありません。

なかなか寝付けない・・・

これ、ある病気が原因かもしれませんよ・・・!

・・・ということで

今回は「睡眠時無呼吸症候群」についてお話ししたいと思います。

「歯医者さんのブログなのになぜ睡眠時無呼吸症候群??」

と思われる方もいらっしゃると思います。

実は治療方法のひとつとして、歯科での治療があるのです。

治療方法はあとでお話しするとして、

まずは「睡眠時無呼吸症候群」とは何か?説明していきましょう。

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?】

睡眠時無呼吸症候群、英語では「sleep apnea syndrome」といい、その頭文字をとって「SAS(サス)」と呼ばれています。(以降、文中ではSASと表記します)

簡単に言えば、SASは、睡眠時にいびきや無呼吸を繰り返す、睡眠障害のひとつです。

ただし、単に呼吸が止まるだけの病気ではありません。

呼吸が止まれば脳や身体は酸欠状態に陥り、全身に十分な酸素が送られません。

そうなると、睡眠の質が悪化し、昼間に強烈な眠気が起こります。

また放置しておくと突然死や循環器系の病気など、さまざまな悪影響をもたらす怖い病気なのです。

SASが日本で大きな注目を浴びたのは、20032月に起きたJR新幹線の事故です。

新幹線が所定のホーム停車位置より100m手前で自動制御装置が作動して緊急停止。

車掌が運転席に駆け付けたところ、運転士が居眠り運転をしていたというのです。

その後の検査で、その運転士はSASと診断されました。

この事故では幸いにもケガ人はいませんでしたが、

もし自動車を運転していたら・・・大事故になっていた可能性もあります。

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状】

SASの代表的な症状には以下のようなものがあります。

・いびき(気道が狭くなっているのでいびきをかく)

・歯ぎしり(歯ぎしりをしたあとに無呼吸になることが分かってきた)

・無呼吸、低呼吸

・日中の眠気

・集中力、記憶力の低下(睡眠不足は脳の働きを鈍らせる)

・不眠、途中覚醒(夜中に2回以上目が覚める日が週に3日以上ある)

・夜間頻尿(何度もトイレに行く)

・寝汗(無呼吸時は起きているときよりも息苦しく寝汗をかいてしまう)

・起床時の頭痛(すっきり目覚めることができない)

・抑うつ(やる気がでない、食欲がわかない、イライラするなど)

 

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因】

それでは、なぜ、寝ている時に無呼吸になるのでしょうか?

それは気道が閉塞してしまうからです。

 

 

 

 

 

 

SASの患者さんの約9割がこのパターンに該当します。

健康な人であっても仰向けで寝る事によって重力で舌などが下り気道が狭くなります。

さらに睡眠中は副交感神経が優位に作用しており、喉や首回りの筋肉の緊張もゆるんでいます。

しかし、健康な人の場合はその程度で気道が狭くなることはあっても閉塞まではすることはありません。

SASが起こる大きな原因のひとつは、肥満です。

肥満で喉の内側に脂肪がつくと、そのぶんだけ気道が狭くなります。

米国人の場合はSAS患者の90%以上が肥満という報告もあります。

日本人は米国人に比べて肥満者が少ないので、これまではSASの患者さんは少ないと考えられてきました。

しかし、最近では食生活などの変化とともに日本人でも肥満が原因によるSAS患者が増加しており、特に働き盛りの3060歳の男性に急増しています。

そのほかの原因としては以下のようなことがあげられます。

・顔の形、首まわり、骨格

  あごが小さい為、気道の圧迫が起きやすい。

  鼻が平べったいので喉の奥が狭くなって口呼吸に頼らざる得ない構造。

・鼻の病気などの機能的異常

  上気道が狭い、扁桃肥大、のどちんこが大きく長い、舌が肥大している。

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療】

SASが疑われる場合は、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、循環器内科、口腔外科などを受診します。

もし可能であれば睡眠外来(睡眠障害専門外来)を受診されることがベストです。

治療法としては以下のようなものがあります。

CPAP(シーパップ)

 

 

 

 

 

 

 

 

SASの患者さんへの治療の第1選択肢となるのが、「CPAP(シーパップ)」と呼ばれる治療法です。

マスクを介して空気を気道へ送り込み、常に圧力をかけて空気の通り道である気道が塞がれないようにする治療法です。

この治療を適切に行う事により、睡眠中の無呼吸やいびきが減少して快適な睡眠をとることができます。

物理的要因を切除する

手術による治療を行うこともあります。

たとえば、扁桃腺が肥大して気道を閉塞しているような場合は、扁桃の切除手術をします。

また、鼻の状態に問題がある場合は、手術によってその原因を取り除くこともあります。

ただし、大人の場合、このような外科的な手術による治療はSASでは非常に限定的なものです。

マウスピース

 

 

 

 

 

 

はい、やっと登場です、マウスピース。

歯医者さんで作製します。これが歯科での治療法ですね。

口の中にマウスピースを入れて、そのまま寝てください。

この治療によって、いびきを90%抑えられるという報告もあります!

いびきは気道が狭くなることでひどくなりますので、いびきが抑えられるということは気道が狭くなるのを抑えているということです。

この治療法は、

・口にはめるだけで高い効果

・比較的安価である

・小型で旅行、出張にも持ち運べる

という利点があります。

歯科で診察後、歯型をとり、それに合わせて作製する医療用のマウスピースですので、

通販や既製品で手に入るいびき防止グッズとは異なります。

医療用のマウスピースは、口の中にはめ込むと、下あごが出て舌の位置が上がり気道が広がって空気が通るようになり、呼吸がしやすくなります。

もちろん、当院でも作製可能ですので、ご心配な方はご相談くださいね。(耳鼻科での検査をした後でマウスピースを作成してくださいという紹介状があれば保険適用となります。)

【寝不足は万病のもと・・・】

SASによって睡眠不足が日常化すると、さまざまな病気を引き起こす可能性が高まります。

高血圧

30歳以上の日本人の4割以上がかかっている国民病のひとつです。

放置しておくと心疾患、脳卒中を引き起こす危険因子ですが、自覚症状がほとんどないのでサイレントキラー(物言わぬ殺し屋!)とも呼ばれています。

高血圧になる原因はいろいろありますが、睡眠不足もそのひとつです。

糖尿病

近年、インスリンのはたらきは睡眠不足が原因で低下するという研究結果が報告されています。

4時間睡眠が1週間続けば糖尿病の初期状態になる」というアメリカの大学からの研究発表もあったとか・・・。

糖尿病を放置していると、網膜症や腎症などの合併症を起こします。

狭心症、心筋梗塞、突然死

睡眠中に繰り返す大きないびきや無呼吸による低酸素状態などが影響してこれらの病をひきおこす可能性が高くなります。

【♪秋の夜長を鳴き通す・・・虫のこえ♪・・・を聞きながら・・・】

秋の夜長に、読書をしたり、お酒を呑んだりするのはストレス解消にもなり楽しいですよね。

ストレスも万病のもと!

虫の声を聞きながら散歩をするのもリラックスできますよ。

睡眠も充分とりながら、秋の夜長を楽しんでください。

冷たいアイスが美味しい時期・・・くさび状欠損とは???

歯科衛生士の吉岡です。この暑い時期、アイスクリームがおいしくてつい食べてしまいますね。

だけど・・・歯にじわじわ冷たいものがしみる感じ。これはもしかして・・・

気になって鏡を見てみると、大変なことに!歯の付け根がくぼんでいてショック・・・

まさか自分が、くさび状欠損!?知覚過敏!?

 

 

 

 

 

 

 

これに気づいたのは約2年前でした。

私と同じように、今までしみていなかったのに冷たいものがしみる

歯ブラシでしみた感じがある

歯の付け根にくぼみがある

というように患者さんからこのような訴えがよくあります。

お口の中を見てみると、歯と歯茎の境目が削れているパターンが多いです。

それは、虫歯ではないのに歯と歯茎の境目がくぼんでしまうくさび状欠損という疾患です。

くさび状欠損というのは、横から見るとくさび状 < ←このような形で、よく堅い木材や金属でつくられた三角形の道具みたいな形をしているのでくさびという言葉を使います。

歯と歯茎の境目がくさび状に削れていることをくさび状欠損といいます。

くさび状欠損の原因は、ブラッシング圧が強すぎたり、研磨剤がたくさん入っている歯磨き粉で歯磨きをしているとできることがあります。

また、強い食いしばりや、歯ぎしりをしていると表面の歯の質が壊れてなる場合もあります。

患者さんのお口の中をみていると少なくても1~2本はあります。

くさび状欠損になってしまうとそこから虫歯になったり、しみる症状(知覚過敏)になることがあります。

そのようなことにならないための当院での治療方法としては、

しみる症状がある方にはもしかしたらバイキンが原因でしみている可能性もあるので、まずはしっかり歯垢や歯石をとり、歯茎の炎症を抑えることを第一にしていきます。

状態がよくなればしみることはなくなります。

それでも症状が治まってこない場合は、しみ止めのお薬を塗って経過をみていきます。

しかし、症状が治まらなかったり、あまりにも深く削れている歯に関しては白い詰め物で埋めなければならないことがありますが、強い歯ぎしりや強いブラッシング圧が治まらない限り詰めたところが欠けてしまう可能性もあります。

また、その詰め物は症状が治まってもバイキンの付きやすいものになりますので、正しい歯磨きが必要になります。

強い歯ぎしりや食いしばりが原因であれば、直接歯と歯が触れ合わないようにマウスピースをつくって毎晩つけていただくことがお勧めです。

また、歯ブラッシング圧が強い方は強さのコントロールが必要です。歯磨剤についても研磨剤が少ないものにしたり、食べた後すぐの歯磨きはせずに30分あけてから磨いたりとお家でのケアも工夫してみてください。

心配な方は、今お使いの歯ブラシを持って歯科医院へ行ってみて相談してみるのもいいと思います。 

私たち歯科衛生士が、皆さんと一緒に改善できるようにサポートしていきます。

お薬シリーズ、ビスフォスフォネート製剤の危険について

事務局の河底です。

 

前回は歯の形成期にあるお子様、妊婦さん、授乳婦さんが服用すると危険な抗生剤についてお話しました。

もう一つ、歯科でよく問題になるのがタイトルにあるビスフォスフォネート(BP)製剤です。これは、骨粗鬆症のお薬です。

悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症、骨転移あるいは骨粗鬆症の治療薬として多くの患者に用いられ、臨床的に有効性の高い薬剤であることは広く知られています。通常、注射用BPは悪性腫瘍患者に、経口用BPは骨粗鬆症患者に用いられることが多いです。しかし、近年、BP系薬剤投与患者において歯科治療を契機とした顎骨壊死の発症が大きな問題となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは日本口腔外科学会のガイドラインより引用させていただいたもので日本にはこれだけのビスフォスフォネート製剤があります。

また顎骨壊死の発症は確率的にはわずかなものですが、このお薬を服用されている方の外科処置(抜歯やインプランドなど)へのリスクは

服用されていない方に比べて、格段に高くなっていることは事実です。

これらのお薬を飲まれている方には、低侵襲な処置が望ましいのでどうしても外科処置が必要な場合には内科の先生に相談の上、

処置を決めたり、場合によってはしばらくお薬の服用を停止していただいて外科処置をすることもあります。

時に外科処置をする場合には、患者さんの申告によりお薬の状況を報告していただいております。安全で効果的な歯科治療を行うため、

ご協力くださいね。なお顎骨壊死の写真は結構衝撃的なのでこちらでは掲載しないことにしますね。

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