DAの重森です。今回は「歯磨きの仕方」についてお話しします。
皆さんは1日に歯磨きを何回していますか?そして歯磨きにかける時間はどれくらいですか?
歯磨きは、1日最低でもの2回、特に夜寝る前の歯磨きはとても大切です。
また歯磨きにかける時間は7分~10分が理想。1日2回の歯磨きすべてこの時間はかけられないとしても、夜寝る前の歯磨きはしっかりと時間をかけましょう。
ただし、なんとなく歯磨きをして10分が経った・・・ではあまり効果的ではありません。
歯磨きの仕方にはいくつかの方法がありますのでご紹介します。
●歯磨きの仕方1 ~縦磨き法~
この磨き方は、歯と歯の間が広く開いている人、細かな操作が困難な人に向いています。
・歯ブラシの毛先を歯に対して直角にあてて、歯の根元に向けて上下に歯ブラシを
動かします。
・歯の裏側は歯ブラシを縦に使います。
・歯の噛みあわせの面には歯ブラシを前後に動かします。
・奥歯には歯ブラシを斜めに入れて往復させます。
●歯磨きの仕方2 ~スクラビング法~
この磨き方は、軽い歯肉炎がある、歯肉が退縮している、知覚過敏・・・などのお口の状態の方におすすめです。
・歯ブラシの毛先を歯に対して直角にあて、小刻みに左右に往復させます。
・前歯の裏側は歯ブラシを縦に入れて1本ずつ小刻みに動かします。
・奥歯は、歯と歯の境目に毛先を当てて、小刻みに動かします。
●歯磨きの仕方3 ~バス法~
歯茎が腫れている、出血がある、歯周ポケットが深い・・・などのお口の状態の方に向いている磨き方です。
ただ、歯ブラシの操作が難しいことと、誤った磨き方をした場合歯茎を傷付けることがありますので注意が必要です。
・歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目にあて45度の角度を保ちながら左右に小刻みに
動かします。動かすというより振動させる、という感じです。
・前歯の裏側は、歯ブラシを縦に入れて、1本ごとに振動させるように磨きます。
・奥歯の裏側は、表側と同様に行います。
このほかにも細かい磨き方はいろいろありますが、どの磨き方も、あまり力を入れすぎると歯が摩耗したり、歯茎が退縮したり傷が付いたりすることもあります。
自分のお口の状態に合った磨き方をすることが大切ですので、歯磨きについて不安に思われた方は来院時に歯科衛生士におたずねください!
●乳歯は虫歯になりやすい・・・
以前のブログで乳歯のことについてお話ししてきましたように、乳歯はとても大切な歯です。
しかし、乳歯は永久歯に比べて未熟なのでとても虫歯になりやすいのです。
乳歯で特に虫歯になりやすい歯は以下の通りです。
・上の前歯・・・歯の付け根と、歯と歯の間に汚れがたまりやすい。
・奥歯・・・2~3歳頃に生えてくる。いちばん虫歯になりやすい。
また、乳歯は虫歯になると進行が早いので注意が必要です。
●子どもの歯磨きについて
お子さんの大切な歯を虫歯にしない為にも、歯が生え始めたら、口の中のケアと歯ブラシに慣れさせる練習をしましょう。
・食後はぬらしたガーゼで歯を拭く(生後7~8ヶ月頃から)
・乳児用歯ブラシでケアをする
・上下の前歯が生えてくる1歳半頃から歯ブラシを使用する
・食べたら歯ブラシを持たせたり、口にくわえたりさせ慣れさせる
磨き方は、汚れがたまりやすい歯の付け根、歯と歯の間などをお子さんが嫌がらないうちに手早く磨きます。
食べたら磨く、のが理想ですが、その日の汚れをその日の内に落とすことを心がけましょう。
●仕上げ磨きについて
お子さんの歯を守っていく上で大切なのは保護者の方のチェックです。
・2歳くらいまで・・・保護者の方が全面的に磨いてください
・6歳くらいまで・・・お子さんの磨き残しを磨きましょう。仕上げ磨きです。
・9歳くらいまで・・・お子さんの歯磨きをチェックしてください。点検磨きです。
ここに書いた年齢はあくまで目安です。お子さん個々の成長や性格などに合わせて保護者の方がチェックをしてあげてください。
●磨き残しをしないためには・・・
ここまで歯磨きの仕方についてお話ししましたが、実は歯磨きのみでは、約7割しかプラーク(歯垢)を落とせないのです!
この磨き残しをしないためには、歯ブラシの他に、デンタルフロスや歯間ブラシなどの歯と歯の間を掃除するためのアイテムを使いましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシは、歯間に挟まった食べかすを取る爪楊枝の代替品ではありません。歯ブラシと同様、プラークを取るのに必要なアイテムなのです。
ただ、フロス(糸)となると使い方が難しい・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。当院では、フロス初心者の方も使いやすいY字型のホルダータイプのフロス(ウルトラフロス)もご用意しておりますので、スタッフへお気軽にお声かけください。
●おススメの歯磨きアイテム
ここで、重森おススメの歯磨きアイテムをご紹介します。参考になさってください。
・フィリップス ソニッケアー
電動歯ブラシです。音波水流で歯垢を落とします。
通常の手磨きの半分の力でブラッシングでき、毛先の届きにくい歯間部や奥歯などのプラークを効果的に除去します。
歯垢除去力は、手磨きの最大10倍!
なんといっても、楽です。自分で手を動かすことがないので、私は、テレビをみながらゆっくり磨いています。
・テペ(歯ブラシ)
予防歯科の先進国であるスウェーデン製の歯ブラシです。
なんと、スウェーデンの薬局で購入された歯ブラシの77.2%はテペ製なのです。
ちなみに、みなさん、歯ブラシいつ交換しましたか?
歯ブラシの交換は1ヶ月に1回が目安です。
毛先が開いてしまった歯ブラシでは、歯ブラシ本来の歯垢除去力が発揮されません。
また長期間使っている歯ブラシには細菌もたくさんついてしまっています。
当院は、歯ブラシを単なる歯磨きの道具とは考えていません。
風邪をひいたらお薬を処方するにように、当院では、患者さんお一人おひとりに合わせて歯科衛生士がおすすめの歯ブラシを処方しています。