お年寄りに多い根面う蝕

こんにちは。

アシスタントの重森です。

 

最近、よく考えるんです。「知る、ということは大切なことだな」と・・・。

いや、当たり前のことなんですけどね(笑)

 

実は、私、当院に勤務するまで、歯のことをまったく知らなかったんです。

今、思う事は「もっと早く知っておけば良かったな」ということ。

 

先日、ある患者さんに治療計画や予防のことについてお話をしている際に

「知っているのと、知らないのとでは違いますからね。歯のことについて知ることができて良かった」

と言われました。

そう言っていただけて嬉しかったのと同時に、改めて「知る」ということは大切なんだな、と思ったんです。

 

今回お話しする内容は、「根面う蝕」についてです。

「根面う蝕」・・・おそらくお聞きになられたことはないですよね?

簡単に言えば、「歯の根っこにできたむし歯」ですが、これも知っているのと知らないのとでは、いろいろな面で大きな違いがでてきます。

 

 

【歯の根っこのむし歯・・・普通のむし歯とどう違う?】

まず歯の根っことはどこにあたるのでしょうか?

上の図でいうところの「歯根部」というのが俗にいう「歯の根っこ」です。

通常、歯根部は歯ぐき(歯肉)に埋まっていて見えていません。

歯根部が外から見えている状態・・・これは、歯ぐきが下がることによっておこります。

 

歯ぐきが下がる原因はいろいろなことが考えられます。

 

まずは歯周病。

このブログでも以前お話ししましたが、歯周病菌が感染すると歯ぐきが炎症をおこし、治療をせずに放っておくと歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けていきます。

それによって歯ぐきも下がっていき、歯根部が露出します。

 

その他には、

・強い力でごしごし歯磨きをし続ける

・歯ぎしりや食いしばり

などによっても歯ぐきが下がっていきます。

 

このようにして露出した歯根部ですが、実は、元々見ている歯の部分(歯冠部)と比べてむし歯になりやすい構造をしています。

 

上の図を見てください。

「歯冠部」というのは、いわゆる普通に見えている歯の部分です。

歯冠部は、表面が「エナメル質」という人間の身体の中でもっとも硬い物質でできています。

その内側が「象牙質」。そしてさらに内側が「歯髄」、神経や血管などからなる部分です。

 

それに対して歯根部は、表面を覆っているのが「セメント質」という組織です。

このセメント質は、厚さが0.2mm以下と非常に薄く、歯冠部の表面を覆っているエナメル質と比べて硬さも7分の1です。

そんな薄いセメント質のすぐ内側が「象牙質」。

この象牙質は、30%がコラーゲンと水で構成されており、これがむし歯の恰好のエサになります。

食事をするとお口の中は一時的に酸性に傾き、数時間かけて元の中性に戻っていくのですが、この酸性に傾いた時間が長ければ長いほどむし歯になりやすくなります。

硬いエナメル質に比べて、象牙質はほんの少しでも酸性に傾くだけでもむし歯になるのです。

 

このようにして発生した根面う蝕。

ときには、歯の周りをぐるっと取り巻く「環状う蝕」を作ってしまいます。

また、根面う蝕は広範囲に広がることが多いという特徴もあります。

特に高齢者の場合は痛みを感じにくくなっている為、患者さんはむし歯に気づいていないことが多いです。

その為、気づかないうちにむし歯が進行し、最悪の場合、歯が折れるという可能性も高くなります。

 

 

【予防策について】

 

やはり、まずは口腔清掃が大切です。

ようは「お口の中をしっかりと磨いてばい菌を取り除く」ということです。

フッ化物入りや低研磨の歯磨き粉の使用も有効的です。

根面う蝕になるということは根面が露出しているということ。

歯磨き粉には研磨剤が入っていますが、露出した根面に研磨剤はあまり良くありません。

なので、低研磨の歯磨き粉をおススメします。

 

自宅でのケアに合わせて、歯科での定期検診も忘れずに!

歯周病のチェック、歯科衛生士からのブラッシング指導など、現在の状況を知り、現状に合わせたケアをしていくことが予防につながります。

 

根面う蝕は、特に高齢者に多いむし歯です。

高齢者の残存歯数(残っている歯の数)が増加傾向にあり、それに伴って、根面う蝕も多くなっています。

若いうちからお口のケアに対して意識を持ち、歯科へ定期検診にいく習慣をつけておくことも大切ですね。

 

今、このブログを読んで頂いているあなた。

もし、歯科へしばらく行っていないのであれば、ぜひともお越しください。

思い立ったが吉日です!

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