「歯の痛みにカロナールって本当に効くの?」
「ロキソニンのような強い薬じゃなくて大丈夫?」
そう疑問に思ったことはありませんか?
カロナール(一般名:アセトアミノフェン)は、効果は穏やかだけれど非常に安全性の高い鎮痛薬として、歯科でも幅広く使われています。
妊婦さんや授乳中の方、小さなお子さんにも処方されることが多く、「やさしい痛み止め」として知られています。
この記事では、福山市にある当院が、歯の痛みに対するカロナールの有効性・使われる場面・服用の注意点・他の鎮痛薬との違いなどを、専門的にわかりやすく解説します。
◆ カロナールとは?歯の痛みにも使える「やさしい鎮痛薬」
カロナールは、アセトアミノフェンという成分を含む鎮痛解熱薬で、頭痛・発熱・歯痛・筋肉痛などに効果があります。
歯科では特に、術後の軽い痛みや、薬に対する過敏症のある患者さん、妊娠中・授乳中の方や小児の患者さんに対して使用されます。
◆ カロナールの主な特徴
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鎮痛・解熱作用はあるが抗炎症作用は弱め
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胃腸障害が起きにくく、体への負担が少ない
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アレルギーが起こりにくい
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子どもや妊婦にも比較的安全に使用できる
◆ カロナールはどんな時に使うの?
歯科でカロナールが使われるのは、以下のような場面です。
① 歯の治療後の軽度の痛み
虫歯治療や小さな切開・抜歯処置の後など、軽い痛みのコントロールに有効です。
② 妊娠中・授乳中の患者様
妊婦さんはロキソニンやボルタレンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が使いづらいですが、
カロナールは産婦人科でも処方されるほど安全性が高く、安心して使える薬です。
③ 小児の歯の痛みや治療後の不快感
体重に応じて用量が調整できるため、乳歯の抜歯や打撲後の鎮痛に活用されます。
◆ 妊婦さん・授乳中でも安心できる理由
カロナールは、妊婦さんや授乳中の方にも安心して使える、数少ない鎮痛薬です。
◆ 安全性の理由:
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胎児や乳児への影響が少ないとされている
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世界中のガイドラインで「妊婦・授乳婦での第一選択薬」として推奨されている
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産婦人科と歯科の両方で併用されることも多い
ただし、用量や頻度には注意が必要なので、医師の指示に従って服用しましょう。
◆ 子どもにも使える数少ない鎮痛薬
カロナールは小児に対しても安全に使える鎮痛薬です。
虫歯や乳歯の抜歯、歯が生えてくる時期の不快感など、幅広い場面で活躍します。
◆ 小児での処方のポイント
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体重に応じてmg数を計算して処方します
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坐薬・粉薬・シロップなどの剤型もあり、年齢や状態に応じて使い分けできます
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当院では錠剤またはシロップを院内処方しておりますが、
院外処方であれば坐薬や粉薬にも対応可能です(調剤薬局で調整されます)
◆ カロナールと他の鎮痛薬との違い
◆ ロキソニン・ボルタレンとの違い
項目 | カロナール | ロキソニン/ボルタレン |
---|---|---|
効果 | 穏やかな鎮痛・解熱 | 強力な鎮痛・抗炎症 |
安全性 | 非常に高い | 胃や腎臓に負担あり |
妊婦・授乳 | 使用可能 | 基本的に避けるべき |
子どもへの使用 | 可能(体重に応じて) | 年齢制限あり |
アレルギー | 少ない | まれに起こることあり |
カロナールは効き目の強さよりも、安全性と汎用性の高さが魅力です。
◆ カロナールを服用するときの注意点
いくら安全な薬とはいえ、正しい使い方をしないと副作用が起きることもあります。
◆ 注意するポイント
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効果が弱いからといって勝手に用量を増やさない
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長期間連続して服用しない(特に高用量は肝臓への負担)
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飲んでも効果がない場合は原因治療が必要なサイン
◆ 当院では基本的に院外処方/必要時は院内処方も対応
当院では、薬の処方は**原則として院外処方(調剤薬局でのお渡し)**を基本としています。
その理由は以下の通りです。
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処方の自由度が高く、剤型の選択肢が豊富(坐薬・粉薬など)
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薬剤師による服薬指導や副作用チェックが受けられる
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他科での薬との重複や飲み合わせの管理がしやすい
ただし、薬局が閉まっている場合は院内処方にも対応
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急な歯の痛み
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小さなお子様への即時対応
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土曜午後や休日など薬局が開いていないとき
このようなケースでは、当院の院内在庫からカロナールを処方することが可能です。
さらに、マイナンバーカードで保険証登録されている方には、
薬剤情報の提供により、院内処方でも他院との重複リスクを防ぎやすくなります。
◆ まとめ|カロナールは“やさしいけれど頼れる”鎮痛薬
カロナールは、痛みに対して即効性が強いわけではありません。
しかし、副作用が少なく、子どもから大人、妊婦さんまで安心して使える信頼性の高い薬です。
対象 | 使用可否 |
---|---|
妊娠中・授乳中 | ◎ 使用可能(医師の指示に従って) |
小児 | ◎ 体重に応じて処方 |
高齢者 | ◎ 負担が少なく安全性が高い |
アレルギー体質 | ◎ 他剤に比べ反応が出にくい |
◆ 福山で「強い薬は避けたい」「子どもに安全な薬を」そんな方へ
「ロキソニンは胃が荒れるから使いたくない」
「妊娠中だけど歯が痛い」
「子どもに出す薬は慎重に選びたい」
そんな患者さんの声に、私たちはしっかりと耳を傾けます。
カロナールは、“やさしく、確実に”痛みを和らげる選択肢のひとつです。
福山で歯の痛みにお困りの方、薬のことまでしっかり相談できる歯医者をお探しの方は、
ぜひ一度、私たちのクリニックへご相談ください。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・日本臨床歯科学会
・K-Project
・FCDC
・MID-G
・福山市歯科医師会 理事

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