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歯磨き後のうがいは1回?!

10月も半分になり、あと1か月半で今年が終わろうとしています。1年の過ぎるペースが年々早くなっていくような感じがしてなりません。歯科衛生士の藤井です。

さて、本日は歯磨きした後のうがいの回数について少し考えたいと思います。いきなりですが、みなさんは歯磨きをした後に何回コップの水を口に含んで吐き出してを繰り返していますか?

毎日何気なく行っていることなので、回数を聞かれると考えこんでしまうかもしれません。

歯磨きをした後はお口の中に歯磨き粉や食べかすが残った状態なので、歯磨き粉の味が無くなるまで何回もゆすいでしまっているかもしれませんね。

実は歯磨き後のうがいはタイトルにも記載しているように「1回」がベストなのです。

「歯磨き後のうがいが1回」という情報は、歯の特集をしていたテレビ番組や雑誌で見たことがあるので、何となく知っていた方もいらっしゃっるかもしれません。でもなぜ「1回」がよいのでしょうか?

 

歯磨き粉のパッケージを見ると色んな成分が入っていますが、一番目に付く成分はフッ素ではないでしょうか。フッ素は歯科で「フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤をオススメします!」とアドバイスを受けたり、お子さんの歯のクリーニングで「フッ素を塗っておきました」と説明を受けることもあると思うので、歯にいいイメージは持っているかもしれません。

実際にフッ素には虫歯になりにくくする効果や歯を強くする効果があります。

少し難しい言葉ですが、

「酸産生抑制機能・再石灰化促進機能」

というものです。

お口の中にいるミュータンス菌などの細菌が食べ物や飲み物に含まれている糖分を餌にして体に取り込み酸を出すことで歯を溶かし穴が空いてしまうのが虫歯なのですが、お口の中が酸性になるとフッ素がイオン化という状態になりそれ以上酸が作られるのを防ぐ働きをしてくれます。そして酸により柔らかくなった歯を再び元の状態に戻す再石灰化の手助けをしてくれます。

こんな素晴らしい効果のあるフッ素をお口の中に留めておきたいですよね!

フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きをしてフッ素が歯にコーティングされるとフッ素がすぐに歯に取り込まれる訳ではなく、徐々に浸透していくので定着するまで少し時間がかかります。またコーティング中に水を含むことでお口の中のフッ素が流れて濃度が薄くなってしまいます。

1番いいのは歯磨き後のうがいをなしにすれば歯磨き粉のフッ素をそのままお口の中に留めておくことができますが、磨いた後は食べかすが出てきたり歯磨き粉は食品でないため、磨いた後の状態で放っておくのは好ましくありません。フッ素が大量に流れてしまわないよう最低限の少量の水で流してあげるのがおすすめだと思います。

 

知らずに今まで何回もうがいしてしまって常識を覆された!!という方もいらっしゃるかもしれないので、補足して正しい日常の歯磨きの手順も伝えたいと思います。

 

①まず年齢に応じた量の歯磨き粉を歯ブラシにつける

・歯が生えたころ(約6か月)~2歳→子どもの切った爪程度

・3歳~5歳→5㎜以下

・6歳~14歳→1㎝程度

・15歳以上→2㎝程度

 

②次に歯を磨く前に歯磨き粉を歯の面全体に広げる

③そして2~3分、歯磨き粉の泡立ちを保つために歯磨きをする

④泡立った余分な歯磨き粉を吐き出す

⑤最後に10~15ml(小さじ2杯分くらい)の水をお口に含んで5秒間ぶくぶくうがいを1回する

⑥注意点として歯磨き後1~2時間は飲食をしないほうがよい

 

といった流れです。最後の「歯磨き後1~2時間は飲食をしないほうがよい」というのもポイントです。うがいを少量に留めたのに飲食でフッ素が流れてしまってはもったいないですよね。

 

フッ素をお口に留まらせるイメージで、今日から歯磨き後のうがい回数を減らしてみてはいかがでしょうか?

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